●本授業の目的およびねらい
宇宙はビッグバーン以後、膨張しながら「物質」を生み出しました。夜空の星々はどのよ
うにして生まれたのでしょうか。原子同士が反応していかに「分子」が生まれ、そこから
いかに「生命」が誕生したのでしょうか?生物と単なる物質とは何が違うのでしょうか?
本講義では、宇宙誕生に始まる壮大な「物質ダイナミズム」を“進化”をキーワードに理
解しながら、「分子とは何か」、「物質とは何か」、そして「生命とは何か」を考えて貰
いたいと思っています。プロジェクタを利用したヴィジュアルでダイナミックな講義を目
指します。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。ただ好奇心と積極性を持っているととても良い。
関連科目:化学基礎I(情報文化学部);化学実験
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●授業内容
第0章 はじめに <自然科学の中での化学の位置付け>
§0−1 特殊性と一般性 −数学・物理学より応用的!生物学より基礎的!−
第1章 宇宙は進化する <宇宙の誕生と原子の誕生(“化学”誕生前史)>
§1−1 宇宙と恒星 −はじめに光ありき!光エネルギー、質量となる!−
§1−2 太陽系と地球 −爆発を繰り返し、実りある物質に熟成!−
第2章 物質が進化する <分子の形成と多様な集合体の現れ(“化学”の誕生)>
§2−1 原子と分子 −不思議な力が原子をつなぎとめる!−
[復習] 波が満たす方程式 −波動方程式−
§2−2 分子の集まり −分子が集まりおのずから構造をなす!−
§2−3 多様な集合状態 −分子集合が反応し拡がって組織を造る!−
第3章 生物も勿論進化する <分子集合体が獲得した高度な自己触媒化学現象>
§3−1 分子と生命 −代謝と増殖、分子による地球型情報伝達メカニズム−
§3−2 視覚のしくみ −ロドプシンとレチナール−
§3−3 DNAとガン −発ガン性の一つの現れ−
§3−4 生物の進化 −突然変異と分子進化で適応度を上げろ!−
第4章 おわりに <物質ダイナミクス、複雑系科学、マルチスケール情報処理>
§4−1 構造と反応 −ものの形、蓄えられたエネルギーの多寡で決まる−
§4−2 物質ダイナミクス −永遠に続く空間の広がりと時間の流れ!?−
付章
§付−1 現象スケールと物理量 −小さい大きい軽い重い遅い速い冷たい熱い−
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●成績評価の方法
出席や質問、小テスト、宿題レポートなどの総合評価による。
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●教科書
毎回、プリントを準備します。(ただし持っていたらとても良い”教科書”として、●マ
ッカーリ・サイモン原著『物理化学―分子論的アプローチ』(上・下)(東京化学同人)
を上げておきます。)
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●参考書
●神部武志、佐々木直幸、内藤正美、渕上信子著『コンピュータ物理の世界』●平山令明
著『実線量子化学入門』●竹内淳著『高校数学でわかるボルツマンの原理』(以上、講談
社)●A.スコット著、野中浩一訳『生命のメカニズムがわかる本』(HBJ出版局)●
長岡正隆著著『すぐできる分子シミュレーションビギナーズマニュアル』(講談社)
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●注意事項
特になし。
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