2009年度 シラバス情報詳細

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
線形代数学T
●主担当教員名
橋本 光靖

●単位数
2単位

●開講時期
T 期
水・2
●対象学部
理学部[10〜12]



●本授業の目的およびねらい
 「線形性」は近代科学における数量的取り扱いの最も基本的な概念であり,さまざまな

分野で用いられる.その線形性を数学的に扱う手法を与えるのが線形代数学である.本科

目は通年講義の前半として,行列の数学的取り扱いに習熟し,諸概念を理解することを目

的とする.特に,座標幾何学(平面,空間)による幾何学的理解,連立一次方程式の解法

への習熟,行列式の概念の理解を重視する.                    

                                        

                                        


●履修条件あるいは関連する科目等
 高校数学の内容を既知とする.線形代数学IIとあわせて完結した講義となる.   

                                        

                                        


●授業内容
 以下の授業内容は標準的に教えられるものであり,講義の順序を示すものではない.実

際の講義予定は別に提示する.                          

                                        

1.空間図形(空間内の平面と直線)                       

 空間内の基本的な図形である直線,平面の方程式や方向ベクトル,法線ベクトルなどを

通して,方程式に対する幾何的感覚を養う.                    

(キーワード)直線の方程式,平面の方程式,方向ベクトル,法線ベクトル,内積   

(発展的内容)外積,空間ベクトルに対する線形結合,線形独立・従属,球面の方程式 

                                        

2.行列                                    

 行列の基礎概念を理解し,その演算法則に習熟する.               

(キーワード)行列の演算,単位行列,正則行列,逆行列,対角行列,転置行列    

(発展的内容)三角行列,行列の分割,実対称行列,直交行列            

                                        

3.行列の基本変形と連立一次方程式                       

 行列の基本変形により階数の概念を理解し,連立一次方程式の掃き出し法による解法と

の関係を理解する.また,正則行列の判定と逆行列の計算法にも習熟する.      

(キーワード)連立一次方程式,基本変形,拡大係数行列,行列の階数,解の自由度,逆

行列の計算                                   

                                        

4.行列式                                   

 行列式の基本性質,幾何的意味を理解し,行列式の計算に習熟する.また,行列の正則

性と行列式の関係などについて学ぶ.                       

(キーワード)行列式の基本性質,行列式の展開,余因子              

(発展的内容)置換,クラメールの公式,余因子行列と逆行列,平行6面体の体積   


●成績評価の方法
 中間試験とレポートの成績を考慮した上で、期末試験(60%)の成績に基づいて評価

します。                                    

                                        



●教科書
 「理系の基礎数学 線形代数学」江尻典雄著、学術図書出版社           

                                        

                                        


●参考書
 「線型代数入門」齋藤正彦著、東京大学出版会                  

                                        

                                        

                                        


●注意事項
 講義とともに若干の演習を織り込んだ授業形態とするが、どうしても演習が不足しがち

になるので、レポートに真剣にとりくみ、返却を受けた試験やレポートをもとに入念な復

習をすることが望まれる。                            

                                        



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