●本授業の目的およびねらい
本講義は、医学部保健学科における専門科目の基礎として、高校において生物学を
履修しなかった学生を対象とし、医療従事者にとって極めて重要である分子生物学
および細胞生物学の基礎から人体にわたる生物学を学び、生物学入門の役割を果た
すことを目的とする。さらに、可能な限り疾患との関連にも配意し医学系学生に適
した内容を講義する。講義では、ビデオ等視聴覚教材の利用にも心掛ける。
高校において生物学を履修しなかった学生諸君は限られた講義時間であるので
十分な予習をされることが期待される。
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●履修条件あるいは関連する科目等
本講義は、主として、高校において生物学を履修しなかった学生を対象とする。
履修希望者が過多となった場合、高校において生物学を履修しなかった者を
優先する場合がある。既履修者は履修者対象の後期開講分も参照下さい。
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●授業内容
1.細胞の構造と機能:細胞の原形質(核・細胞質)と後形質の構造と機能
2.細胞の増殖:細胞分裂(分裂周期・核分裂・細胞質分裂・染色体)
3.個体の成り立ち:組織(上皮組織・結合組織・筋組織・神経組織)、
器官と器官系
4.細胞生理:原形質の化学組成(水・蛋白質・脂肪・炭水化物)、
細胞膜の働き
5.同化・異化:消化と吸収、酸素呼吸、無気呼吸、外呼吸とガス交換、
異化生成物の排出
6.神経系:中枢神経系、随意運動・反射、末梢神経系
7.内分泌系:内分泌系、ホメオスタシス
8.感覚器:視覚、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚
9.体液:血液(組成・循環)・リンパ系・血液による生体防御・免疫・血液型
10.生殖:減数分裂、受精
11.発生:発生の順序(卵割・胞胚・嚢胚・神経胚等)、ヒトの発生
12.核酸:核酸の構造、蛋白質と形質の発現
13.遺伝子:細胞の分化と遺伝子、遺伝の基本法則
14.ヒトにおける遺伝:血液型の遺伝、伴性遺伝、
染色体の異常(常染色体異常・性染色体異常)
15.変異:個体変異、突然変異(遺伝子突然変異・染色体突然変異・
人為突然変異)
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●成績評価の方法
出席および期末試験によって行う。
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●教科書
新版看護学全書基礎科目・生物学・齊藤省吾著・メヂカルフレンド社
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●参考書
Human Biology:Sylvia S.Mader著
McGraw−Hill出版。
その他、必要に応じて指示する。
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●注意事項
高校で生物学を履修しなかった学生を対象とするが、前期という限られた時間で
生物学の比較的広範な領域を学習するため十分な予習が望まれる。
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