●本授業の目的およびねらい
中国においては、秦漢帝国の成立から清帝国の滅亡に至るまで、皇帝による官僚制的統
治が継続した。このような統治の基本的枠組みは、秦漢帝国の成立に先立つ戦国時代を経
過する中で次第に形成されて行ったが、この時代は中国史上きわだって都市の発達した時
代である。本講義では、戦国時代を中心とする都市の性格の究明を通して、そのような統
治の枠組みの特質とその成立要因について、文献史料だけでなく考古資料も駆使して探究
する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
時代を問わず中国に対する関心と、歴史を研究する上で基礎となる史料に対する興味を待
つことを希望する。
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●授業内容
1.中国史における戦国時代の位置
2.戦国時代の都市の発達
3.都市発達に関する二つの見方
4.都市発達の地域的片寄り
5.三晋地域の都市発達の要因
6.戦国都市の制度的特質
7.三晋都市住民の性格
8.都市における「市」の役割
9.秦が天下統一を可能とした要因
10.秦帝国の都市支配
11.秦末の都市反乱
12.漢帝国前半の都市支配
13.漢武帝の政策の転換と都市の行方
14.官僚制の形制と都市
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●成績評価の方法
出席を兼ねて小テストを行う(30%)
定期試験(70%)
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●教科書
なし。パワーポイントの配付資料を配付する。
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●参考書
江村治樹『戦国秦漢時代の都市と国家』(白帝社アジア史選書7、2005年9月)
永田英正編『アジアの歴史と文化1 中国史−古代』(同朋者出版、1994年。最近、
仏教大学から再版)
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●注意事項
受講にあたって、中国史全体に関する概説的知識を習得していることが望ましい。
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