●本授業の目的およびねらい
人間の行動と、これをつかさどる精神活動の仕組みについて、実証的方法を用いながら
科学的にアプローチしようとするのが「心理学」である。この講義では、実証的心理学の
代表的な理論や研究の成果を概観することにより、社会的存在としての「人間」の本質に
迫ることを目的とする。将来、社会のさまざまな領域で活躍する人材にとって必要な、人
間に関する基本的理解を体得することを目指す。また、単に心理学に関する知識を習得す
るだけでなく、科学的思考・批判的思考の方法を身につけることも目標とする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
履修の条件は特にない
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●授業内容
人間は、各自の置かれた物理的・社会的環境からどのような影響を受けながら、またどの
ように適応しながら行動し、生活を形作っていくのか?その仕組みを、実験や観察、調査
などの実証的方法を用いて明らかにしようとするのが、科学としての心理学である。ここ
では、主に社会的環境(自己や他者、所属する集団や文化)との相互作用に焦点を当てな
がら、人間の行動の基礎にあると考えられる「こころ」の正体に迫ることを目指す。
主なトピックスは次のとおりである。
1.心理学とは何か
2.「見る」「聞く」「感じる」―感覚と知覚
3.「する」「するようになる」―行動と学習・発達
4.「考える」「わかる」―認知と情報処理過程
5.「好き」と「嫌い」―社会的態度と魅力
6.「正しい」「正しくない」―信念と行動
7.「わたし」と「あなた」―自己概念と人間関係
8.「わたし」と「みんな」―個人行動と集団行動
9.「ウチ」の世界と「ソト」の世界―社会集団と文化
10.「意識」と「無意識」への実証的アプローチ
11.心理学の方法論
12.心理学の応用
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●成績評価の方法
調査・実験や課題への取り組みなどに関する平常点と学期末試験の成績をもとに総合的に
評価する
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●教科書
グラフィック社会心理学・第2版 池上知子・遠藤由美(著) 2008年 サイエンス
社
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●参考書
はじめて出会う心理学 長谷川寿一・東條正城・大島尚・丹野義彦(著) 2002年
有斐閣アルマ
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●注意事項
実際に行なわれる心理学実験やテスト、調査などに参加・回答をすることが、心理学の生
きた学習になります。授業の中で実例を取り入れて紹介していきますので、積極的に参加
してください。
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