●本授業の目的およびねらい
第二次世界大戦以降、発展途上国の開発問題は国際社会の主要な関心事の一角を成して
きた。本授業では、伝統的な経済開発アプローチに基づく開発学の諸理論を理解し、その
上で日本の開発援助政策(ODA)の実体に注目し、そこから国際的視点へと展開してい
く。次に、伝統的な開発学の限界を明らかにした上で、現在模索されている人間開発アプ
ローチなど新たな開発戦略についての理解を深める。また、近年問題となっている「開発
と貿易」や環境問題などとの関わりについても取り上げていく。
なお、授業開始10分以降の入室は認めないので注意してください。
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●履修条件あるいは関連する科目等
該当なし
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●授業内容
01.はじめに:「開発」とはどのような概念なのか、また、なぜ「国際開発」が必要な
のかを議論する。
02.開発援助の方法と開発援助に携わる機関・組織:国際的な開発援助において行われ
ている方法およびそれに携わる機関・組織の役割を理解する。
03.日本の政府開発援助について:日本の行っている政府開発援助を題材に、開発援助
の仕組みを理解する。
04.経済開発の理論:国際開発援助の基礎となっている経済開発の基本的な諸理論を理
解する。
05.伝統的な経済開発理論の限界と問題点:経済開発と人々の生活に関わる事例から、
経済開発理論の問題点とその理由を明らかにする。
06.新たな開発戦略について:現在、国連開発計画などの主唱する「人間開発」アプ
ローチを中心に、経済開発戦略に変わる新たな開発戦略について考える。
07.開発とガバナンス:開発と民主主義・「法の支配」の関係について考える。
08.グローバル化と発展途上国:経済のグローバル化のもとで、発展途上国の抱える問
題点を理解する。
09.環境と開発:開発目標の追求と環境問題との関係について理解する。
10.期末試験
※07〜09については、授業の進行に応じて順番が前後する可能性があります。
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●成績評価の方法
出席状況10%、レポート評価40〜50%、試験評価40〜50%
※レポートは必要に応じ複数回行う場合もある。
※※レポートと試験のうち、評価の高い方に加重して配点する。
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●教科書
指定しない。
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●参考書
渡辺利夫・三浦有史『ODA(政府開発援助)』中公新書
鷲見一夫『ODA援助の現実』岩波新書
アマルティア・セン『貧困の克服』集英社新書
国連開発計画『人間開発報告書』国際協力出版会(毎年発行)
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●注意事項
授業開始10分以降の入室は認めないので注意してください。
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