●本授業の目的およびねらい
講義を聞いて知識を得るのみでは化学の学習は成立しない。化学の様々な分野における
課題を対象とした実験と演習を行うことにより、化学への理解を深めるとともに、講義範
囲を補う。また、化学分析、合成、反応解析等の実験を通じて、物質を取り扱うための基
本操作や各種化学器具・機器の操作方法などを習得する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校化学の内容を機知とする。
化学基礎Iおよび化学基礎II
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●授業内容
下記の授業内容で実習を行う。第1回目の授業ではガイダンスと実習の進め方、安全に
ついて講義する。
1.ガイダンス
2.実験に関する基本操作の説明、定性分析反応における化学量論性、平衡、溶解度積、
確認反応などの講義・演習を行う。
3.金属イオンの分離と確認反応:Ag+、Pb2+、Cu2+、Sn2+、Fe3+、
Al3+、Cr3+、Zn2+、Ni2+、Co2+イオンの系統的分離反応を化学
平衡・溶解度積と関連づけて実験的に学習する。また,錯イオンの生成や緩衝溶液の
概念も修得する。さらに、ペーパークロマトグラフィーや炎色反応による各種イオン
の分離や分析を行う。
4.無機化合物の合成:光感光物質トリスオキサラト鉄(3)酸カリウムを水酸化鉄から
合成する。合成した化合物を用いて、光化学反応による還元反応を学習する。
5.有機化合物の合成:鎮痛剤・解熱剤として広く使用されているアセチルサリチル酸の
合成を行う。実験を通して、エステルの性質とエステル化反応を学習する。
6.酸と塩基の滴定曲線:HCl−KOH、CH3COOH−KOHの中和反応をpHの
測定と指示薬による色の変化で測定する。酸−塩基反応やpHについて学習する。
7.原子スペクトルと光電効果の実験:水素原子・ナトリウム原子のスペクトルの測定を
通して原子構造について学習する。また、光電効果の実験を行う。
8.化学的振動反応の実験:振動反応であるB−Z反応を行い、化学反応のダイナミクス
について学習する。
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●成績評価の方法
出席、予習状況、実験ノート、授業態度、レポートおよび課題を総合的に判断する。
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●教科書
「化学実験」(名大・教養化学)中日文化
全学教育科目実験「安全の手引」
以上の2冊は常時携帯すること。
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●参考書
特に指定しない。
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●注意事項
第1回目のガイダンスに必ず出席すること。この時教科書および「安全の手引」を必ず持
参すること。
安全メガネ・実験着が必要である。
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