2008年度 シラバス情報詳細

●科目区分
文系基礎科目

●科目名
歴史学
●主担当教員名
稲葉 伸道

●単位数
2単位

●開講時期
U 期
火・2
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい
 日本中世(平安末〜戦国期)における「国家」を統一的に把握するのは、簡単なことで

はない。なぜなら、鎌倉期にあっては古代律令国家を継承する公家政権(王朝、朝廷)と

、関東武士が樹立した武家政権(幕府)が並立しており、室町期に至って幕府が京都を拠

点とすることによって、両者の併存状態はかなり解消されるものの、天皇(院)を中心と

する王朝(朝廷)は戦国期においても存在し続けているからである。このような中世の「

日本国」の存在形態について、主に鎌倉時代を中心に検討し、中世国家とはいかなるもの

かを考えたい。                                 


●履修条件あるいは関連する科目等
なし                                      

                                        

                                        


●授業内容
1.「国家」の定義について                           

2.鎌倉幕府の成立をどう理解するか                       

  1 鎌倉幕府の成立過程−治承・寿永の内乱−                 

  2 東国国家の成立と全国政権への過程                    

  3 鎌倉幕府の権力構造−鎌倉殿と御家人、在地領主制−            

  4 鎌倉幕府の権力構造−守護・地頭−                    

3.鎌倉期の院政と親政                             

  1 鎌倉期の朝廷の政治組織                         

  2 分裂する王権と「治天」                         

  3 「家門」の「安堵」                           

4.建武政権                                  

5.室町期の幕府と朝廷                             

6.寺社から「国家」を考える                          

7.外交から「国家」を考える                          

8.税から「国家」を考える−一国平均役と年貢−                 

9.戦国期の「国家」                              

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
筆記試験と2回講義時間に行う小テストによって評価する。             

                                        

                                        



●教科書
なし                                      

                                        

                                        


●参考書
佐藤進一『日本の中世国家』(岩波書店)                     

『岩波講座日本通史』中世一〜中世三の通史                    

その他、講義で指摘する。                            

                                        


●注意事項
高校日本史教科書程度の知識があることが望ましいが、高校時代に日本史の授業を受けて

いなくてもよい。                                

                                        

                                        



時間割一覧へ戻る