●本授業の目的およびねらい
この講義では、心理学の教育ゲームシミュレーションを体験しながら、そこで生じる人間
の心理と行動を素材にして、心理学の方法や考え方にもとづいて読み解いていく。飢餓・
貧困・テロ・環境破壊など地球規模の問題を単純な事態として再現する仮想世界ゲームで
は、個人と社会のジレンマ、偏見やステレオタイプ、同調や逸脱、協同と競争、社会的連
帯と帰属意識、流言やデマなど多様な社会心理現象が観察できる。それらを、社会的認知
、原因帰属、意思決定、アイデンティティ、相互作用、コミュニケーションなどに関する
心理学理論から分析する。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
補講として時間外(土曜日の1限から4限)に実施する仮想世界ゲームへの参加が必須の
条件である。
|
●授業内容
1.オリエンテーションと社会的認知
2.仮想世界ゲームのルール説明
3.仮想世界ゲーム前半の実施
4.仮想世界ゲーム中盤の実施
5.仮想世界ゲーム後半の実施
6.仮想世界ゲーム終盤の実施
7.仮想世界ゲームの解説:仮想的現実はどのようにして生じるのか
8.集団間での協同と競争:社会的葛藤はどのようにして解決できるのか
9.社会的行動の原因帰属:人は行動の原因をどのように推測するのか
10.同調と逸脱:人は集団や他者からどのような影響を受けるのか
11.社会的アイデンティティの形成:人は集団にどのようにして同一化するのか
12.リーダーシップ:リーダーはどのような状況でどのようにしてうまれるのか
13.個人と集団の決定:人の意思決定は集団のそれとどんなふうに異なるのか
14.全体と個人の社会的ジレンマ:人は集団のなかでどのようにして折り合いをつける
のか
15.流言と偏見:他者への偏見はどのようにしてうまれ、どのようにして解消するのか
|
●成績評価の方法
ゲームへの参加を含む出席点(20%)。ゲーム体験と講義内容に関連するレポート(8
0%)。
|
●教科書
「シミュレーション世界の社会心理学」 広瀬幸雄 編著(ナカニシヤ出版)
それ以外に、講義で資料を配布する。
|
●参考書
なし
|
●注意事項
受講に当たっては、教科書や配布資料による予習が必要です。
|