●本授業の目的およびねらい
――「英語のスピーキング&リスニング演習」――
現行の日本の中学・高校の英語教育では、コミュニケーション能力の涵養が指導要領に盛
り込まれているにもかかわらず、時間の制約上どうしても重点的には行なわれない事項に
「音声トレーニング」がある。この授業では、実際の英語運用能力向上において避けて通
ることのできない「音声トレーニング」を中心に、今までの自己流の悪い癖を削ぎ落とし
、英語らしい言語音の発話力の基礎と、それに依拠した聴解力を涵養する。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
リスニング&スピーキングの「反復練習」を根気強く継続できる心的態度を持ちあわせて
いると自己評価できる学生が履修すること。たとえ履修科目調整等で不本意ながら履修す
ることになっても、その現実を受け入れて意欲的に取り組むこと。
|
●授業内容
1.授業はCALL教室で行なわれる予定で、受講生諸君が欧米の大学に留学した場合に
受講することになる「英語による講義」を場面をイメージしながら聴覚でフォローし、授
業時間内にPCハードウェアに録音し、テキストに依拠しながら、内容把握に努める。扱
うトピックは、心理学、生物学、美術、歴史学、メディア情報学、言語学、天文学、倫理
学、公衆衛生学、経営学、統計学、技術工学の12分野に及ぶ。
2.講義音声の中から特徴的な発話音を採りあげて、当該音を繰り返し模倣しながら、モ
デル音にできるだけ近づけていくトレーニングコースを並行して行なう。特に、CALL
教室の各自のブースで「スピーキング機能」を利用して、モデル音声波形表示を見ながら
自分の音を録音し、波形表示の重なり度合いから、客観的に自分自身の言語音(ストレス
の強弱、ピッチ高低、イントネーション)を認識し、その改善に専念する。
3.また、日本人にとっては著しく聴き取りにくいと思われる、英語特有の「個別音(母
音・子音)」「子音連結」「アクセントの特徴」「リズム」「音声変化:同化現象・リエ
ゾン・脱落現象」「イントネーション」などを中心に、スピーチ・トレーニング・プログ
ラムとして本教授者が教材フォルダーに持ち込む練習問題を通して、段階的に習得する。
4.最終的には、受講生がそれなりの水準(自他ともに納得のいくレベル)で英語を発話
し、ある程度のまとまったディスコースについて意味を理解して聴き取ると同時に、それ
をよく伝わる音声形式で発話できることを目標とする。
<参考文献>
『音声英語の理論と実践』(杉森幹彦,他:英宝社)/『日本人の英語』(杉藤美代子:
和泉書院)/『英語シャドーイング(入門編)』(玉井健:コスモピア)
|
●成績評価の方法
出席(10%)、聴解力に関する定期試験(50%)、受講生吹き込みオリジナルファイ
ルの提出(40%)による総合評価。
|
●教科書
Helen Solorzano & Laurie Frazier, Contemporary Topics 1. (Pearson Longman Ltd.)
0-13-094853-5.
|
●参考書
初回に配布する資料「言語音を科学する」で別途指示する。
|
●注意事項
1.リスニング練習の妨げになるので遅刻は厳禁。
2.音声教材持ち帰りのためのフラッシュメモリーが必要になる。
|