●本授業の目的およびねらい
本授業の目的は、学術的な英文に関する基礎的なリーディング能力とライティング能力の
養成である。そのねらいは、研究拠点大学である名古屋大学の学生にふさわしい学術的な
英語を使いこなす能力を身につけるところにある。論理的な英文のカギとなるパラグラフ
の構造に着目し、目的に応じて必要な情報をいかに読みとるか、また逆に、自分の考えを
その根拠とともにいかに説得力のある論理的な英文に組み立てるかを学ぶ。将来、専門論
文を英語で読んだり書いたりする時に、指針となる英語文章構成法の基礎および「使いも
のになる」多くの英語表現を学んでもらう。
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●履修条件あるいは関連する科目等
同じ教科書を使った他の授業を履修することはできない。
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●授業内容
授業は主にリーディングセクションとライティングセクションとからなる。毎回、大学生
にふさわしい興味深いテーマについて書かれた600語前後の「エッセー」(小論文)を
、スキーマの活用、語彙チェック、大意把握(スキミング)、詳細情報の読解(スキャニ
ング)という読解スキルを生かして読む。
ライティングについては、パラグラフとエッセーの基本的構造、導入部と終結部の書き方
、主要部の展開方法(時間順、描写、逆接、因果、例示など)、展開を示す「つなぎ言葉
」、そして、アイデアの出し方と整理の仕方を、基礎から学び、実際にエッセーを書くこ
とと通じて、ライティングの基本技能を身につけていく。
注意すべきなのは、リーディングは英文和訳ではなく、ライティングは和文英訳ではない
という点である。論理的な英文を書いた著者は、どういう根拠に基づき何を主張したいの
か、ということを読みとること、そして逆に、自分の考えや根拠をいかに整理して論理的
な英文を書き読み手を納得させるか、ということを身につける訓練を行なっていく。
ゆえに、指導は、細かい文法的な誤りの添削を行なうのではなく、いかに論理的な英文を
構成するかという点に重点をおく。そういう意味で、文法を学ぶための英語の授業ではな
く、書き言葉を使った学術的なコミュニケーション能力を身につけるための授業である。
なお、専用の教室を確保できた場合は、CALL(コンピュータ支援による語学教育)教
材も補助的に使用する予定である。
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●成績評価の方法
出席40%、平常点60%(授業内で適宜行う小テストや課題等が評価対象となる)
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●教科書
Milada Broukal 『Weaving It Together 3 In
termediate Level』松柏社
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●参考書
なし。
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●注意事項
初回の授業で重要事項を説明するので欠席しないこと。
辞書は英英辞書(英英辞書機能付きの電子辞書含む)を準備することが望ましい。
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