●本授業の目的およびねらい
「世界でもっとも美しい10の科学実験」
地球が自転していること、光が波であること、電子と電気素量が存在すること…。
高校までの物理で正しいと教えられてきたことは、はじめから分かっていた訳ではなく、
どれも巧みな実験の末に得られた知識です。この基礎セミナーでは、こうした歴史的実験
(おもに物理学)の解説を読むことで、自然の姿を明らかにする方法を学び、また、
それぞれの科学の知識をよりイキイキとしたものにしていきます。加えて、発表と質問、
議論というセミナーの中からアイディアを得る方法も探っていきます。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校までの各科目を良く理解していること。
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●授業内容
教科書としてあげた「世界でもっとも美しい10の科学実験」の中から、
一人が1章を担当し、およそ1週間に1章のペースで進む予定です。
担当者は各章の内容を発表し、他のメンバーはそれを聞いて質問し議論します。
教科書は一般向けの「読みもの」として書かれているので数式が少ないですが、
担当者は(聞く方も理系の大学生ですから)各自出来るだけ数式を補って
自分なりの計算と考察を加えて発表してください。
一方、聞く方は、これは既に確立された真理だとは思わず、
発見当時の別の科学者の気分になって、「本当に本当か?」とか
十分なツッコミをいれつつ聞きましょう。(ツッコミが足りないのも
減点です。)
以下は教科書の目次の抜粋です。
第1章:世界を測る−エラトステネスによる地球の外周の長さの測定
第2章:球を落とす−斜塔の伝説
第3章:アルファ実験−ガリレオと斜面
第4章:決定実験−ニュートンによるプリズムを使った太陽光の分解
第5章:地球の重さを量る−キャヴェンディッシュの切り詰めた実験
第6章:光という波−ヤングの明快なアナロジー
第7章:地球の自転を見る−フーコーの崇高な振り子
第8章:電子を見る−ミリカンの油滴実験
第9章:わかりはじめることの美しさ−ラザフォードによる原子核の発見
第10章:唯一の謎−一個の電子の量子干渉
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●成績評価の方法
発表、質問と議論への参加の様子などから総合的に評価します。
レポートを課す場合はそれも成績に考慮します。
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●教科書
「世界でもっとも美しい10の科学実験」
ロバート・クリース著、青木薫訳、日経BP社
図書館や書店、アマゾンなどの書評等をみて、どんな本なのかを見ておいてください。
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●参考書
セミナーの中で適宜指示します。
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●注意事項
初回に担当を決めます。
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