2007年度 シラバス情報詳細

●科目区分
理系教養科目

●科目名
現代数学への流れ
●主担当教員名
浪川 幸彦

●単位数
2単位

●開講時期
V 期
水・2
●対象学部
工学部



●本授業の目的およびねらい
数学は抽象的学問だと思われている。その認識が間違っているわけではないが,「抽象」

とは,具体的なものから出発して,それを抽象するのだ,ということがともすると忘れら

れている。ここでは,解析学で用いられる,様々の概念,特に「収束」をめぐる話題につ

いて,数の近似,関数の近似という,具体的な問題を扱いながら,そこでの方法を抽象一

般化することにより,現代数学の様々な概念が生まれてきていることを見る。同時に, 

いろいろ道草を食いながら,数学で「遊ぶ」ことにしよう。皆さんは今後専門で数学を 

大事な「手法」として使うが,それを使いこなすための最良の方法は「遊び」である。 


●履修条件あるいは関連する科目等
高校数学と,1年で学んだ微分積分学,線形代数学の基本が身に付いていることが望まし

い。最低限そこで学んだ事項は既知と仮定する。また知的好奇心を存分に発揮すること,

数学についていろいろ考えることを求める。                    


●授業内容
講義副題「数を近似する,関数を近似する」                    

 現在次のような話題を取り扱う予定である。                   

I.数の近似                                  

1.√2をどう計算するか?                           

 小数計算/開平算/漸化式/無限連分数                     

2.小数計算と誤差の評価                            

3.漸化式(ニュートン法など)                         

4.連分数と最良近似                              

5.「収束する」とは何か?                           

6.積分の近似計算(オプション)                        

                                        

II.関数の近似                                

1.テイラー展開とその剰余項(級数展開)                    

2.多項式による近似(その1)(補間公式)                   

3.多項式による近似(その2)(直交多項式)                  

4.三角関数による近似(フーリエ級数)                     

5.「関数が収束する」とは何か? 「近い」とは何か?              

6.パルスによる近似(ウェーブレット)(オプション)              

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
・原則として講義に積極的に参加した者には単位を与える(具体的条件は初回に提示)。

・成績は主として(3回程度)提出するレポートによる。これに出席状況による評価を加

 える。                                    



●教科書
指定しない。資料プリントを配布の予定。                     

                                        

                                        


●参考書
テーマ毎に何冊かの図書を推薦する予定。                     

                                        

                                        

                                        


●注意事項
・講義の内容・順序は状況に応じて変更することがある。              

・授業中の私語は他の人の迷惑となるので固く禁じる。               

・携帯電話は電源を切るか、マナーモードにしておくこと。             

                                        



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