2007年度 シラバス情報詳細

●科目区分
理系教養科目

●科目名
現代数学への流れ
●主担当教員名
中西 知樹

●単位数
2単位

●開講時期
V 期
月・1
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい
数学とはどのような学問でしょうか?小学校から高校までの経験を通して、数や図形に関

係することがらについての計算をすること、証明をすること、問題を解くこと、などのイ

メージを持っている人が多いと思います。数学という学問の本質は、この世の中の様々な

局面に遍在する「数」に関わる現象(数理的現象)を「理解する」という点にあります。

この授業では、多変数の一次方程式の理論を題材にしてその背後にある現代数学の基本的

な考え方や手法を学ぶことにより、数理的現象を理解するとはどのような意味かを知り、

また多様な局面における数理的現象の存在を見抜く力を養います。          


●履修条件あるいは関連する科目等
高校でベクトルと行列についてある程度なじんでいることを期待しますが、すべて忘れた

と仮定して一から説明します。                          

                                        


●授業内容
この講義の扱う内容は「線形代数学」と呼ばれる数学の分野の一部です。       

 線形代数学は、19世紀後半に成立した分野で、ひとことで言えば、「ベクトル空間と

線形写像の研究」をするものです。ベクトル空間は、われわれの住んでいる宇宙(あるい

は自然)が「自然に」備えている数理的構造であるがゆえに、自然科学・人文科学を問わ

ずいたるところに現れる、という点で重要ですが、さらに、複雑すぎずしかし簡単すぎも

しない構造であるために、現代数学の基本的な考え方や手法を学ぶための入門にも大変適

しています。そのため、世界中の理系の大学生が必ず学ぶ現代数学の基礎科目になってい

ます。                                     

 この講義におけるみなさんの目標は次の二つです。                

 第1目標:行列(掃き出し法)を用いて一次方程式を解くことにより、解の構造のパ 

      ターンを認識すること                        

 第2目標:一次方程式の解が「なぜ」上のようなパターンを持つのか、その背後にある

      仕組みを「理解」し、それを人に説明できるようにすること       

      仕組みを理解する過程で、現代数学の根幹をなす概念である「集合と写像」

      の重要性も同時に認識することになるでしょう。            

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
原則として期末試験により評価を行います。評価基準は、上の二つの目標の達成度です。

詳細は初回講義で説明をします。                         

                                        



●教科書
三宅敏恒「入門線形代数」(培風館)1523円                  

                                        

                                        


●参考書
なし                                      

                                        

                                        

                                        


●注意事項
昨年度の同一講義とは内容がかなり異なります。                  

                                        

                                        

                                        



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