●本授業の目的およびねらい
本講義では,我々の住む地球がどのような特徴をもった惑星であるのかを理解させると
ともに,地球惑星科学の概要を紹介することを目標とする。このため,宇宙や太陽系の中
での地球の起源,地球の形状と内部構造,他の惑星との比較,地球を構成する物質の種類
や性質,水圏・気圏も含めた地球の表層環境などについて解説し,地球に対する理解を深
める。また地球惑星科学で用いられている代表的な研究方法なども紹介する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校における地学の履修を前提としない。
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●授業内容
1.はじめに講義全体の内容を簡単に説明し,あわせて自然観の変遷を述べ,学習の指針
を与える。
2.地球の起源を考える:宇宙の構成,太陽系の物質進化,惑星の形成,隕石など地球外
物質について解説しつつ,地球の起源と進化に言及する。→ 参考書1,4
3.地球の内部を診断する:地震の発生機構、地震波の性質,地震波による地球の内部構
造の解析法を解説する。→ 参考書1,3,4
4.固体地球の構成物質を知る:地球のマクロな化学組成の推定,元素−鉱物−岩石の階
層性,鉱物の結晶化学的性質について解説する。→ 参考書2,4
5.岩石の成因とその多様性を探る:マグマの発生と火成岩の形成,変成作用と変成岩の
形成,岩石の多様性と物理化学条件との関係について解説する。→ 参考書1,3,4
6.地球表層の状態を知る:水圏・気圏の構造と物質循環,太陽エネルギーと地球の熱収
支,地球表層環境の現状について解説する。→ 参考書1,2
7.まとめ
8.試験
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●成績評価の方法
出席状況+課題の成績(30%)と期末試験の成績(70%)により評価する。
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●教科書
使用しない。配布資料あり。
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●参考書
1)A.Holmes著,上田誠也ほか訳「一般地質学T〜III」(東大出版会)。
2)松士監修「地球化学」(講談社サイエンティフィク)。3)岡野純ほか著「地
球:その実像」(学術図書出版)。4)山中高光編「宇宙・地球:その構造と進化」
(学術図書出版)。
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●注意事項
講義の中で,あるいは宿題として課題を出す。当然のことながら,講義を聴いていないと
解けない。
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