●本授業の目的およびねらい
光はいつの時代でも物理の中心的なテーマとして研究されてきました.「光の科学」を
テーマにして,物理を学びます.物理では,枝葉末節にとらわれず,現象の本質を基本的
な法則や簡単なモデルによって理解することが大切です.授業の目標は以下の通りです.
光の基礎力として,@光の基本的な性質(光速,光の種類,光線の直進・反射・屈折)
A光の波動性と粒子性の現代物理学における統一(光の二重性)B光と環境問題との関わ
り(地球の温暖化,低周波電磁波問題)が理解できるようになる.応用力として,C物事
を大まかに正しく理解する力D有効数字1桁で計算する力E誤差に対するセンスを養う.
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●履修条件あるいは関連する科目等
広い意味で物理に興味をもっていること
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●授業内容
最初に,光の基本的な性質をいくつか学びます.次に,光は粒子なのか波なのかという問
題を取り上げ,光の二重性という解決法を紹介します.最後に,地球の温暖化問題と電磁
波問題を光の視点から考えます.
各回の授業内容:
@光の速さ (世界の広さ,ガリレオのカンテラ実験)
A光の速さ (レーマーとイーオの食,ブラッドレーと龍座のガンマ星)
B光の速さ (フィゾーの回転歯車,フーコーの回転鏡,屈折率と速さ)
Cさまざまな光(電磁波,波長,振動数,スペクトル,可視光線)
Dさまざまな光(紫外線,X線,ガンマ線)
Eさまざまな光(赤外線,電波,マルコーニ,さまざまなアンテナ)
F光線の性質 (直進,光源の大きさ,日食・月食)
G光線の性質 (ビデオを見る.反射・屈折)
H光線の性質 (屈折光線の作図,全反射,光ファイバー,胃カメラ,虹)
I光の二重性 (ビデオを見る,粒子説・波動説,水中の光の速さ)
J光の二重性 (ヤングの干渉縞,箔験電器,光電効果,光量子仮説)
K光の二重性 (物質波,二重性,ビデオを見る)
L地球の温暖化問題(惑星の温度,太陽定数,黒体放射,温室効果,電波の窓)
M低周波電磁波問題(地磁気,送電線,家庭の電化製品と電磁波)
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●成績評価の方法
筆記試験(主)と授業時に随時おこなう演習やレポート(副)
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●教科書
なし
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●参考書
『いかにして問題をとくか』,G.Polya著,垣内賢信訳(丸善),1,500円
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●注意事項
授業は主にPowerPointを用いて行う.それと共に,ビデオを見てレポートを書
いたり,簡単な計算や作図の演習も行う.
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