●本授業の目的およびねらい
現代日本社会に生きる我々にとって、過去の歴史を知ることは、現在と未来を生きる智
慧の源である。この講義では、日本中世の国家・社会・宗教について概論する。古代律令
国家の連続上に日本列島上に登場した国家・社会とはどのようなものであったか。今日で
は幕府という武家政権だけで論ずることは、もはやできない。公家・武家の両政権を統一
的にとらえて中世国家を論じたい。また、中世社会の基礎をなす荘園公領制や身分制、お
よび仏教を中心とする宗教思想・宗教体制を論じたい。12世紀から16世紀までのう
ち、主に鎌倉時代を例に論を展開することになる。
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●履修条件あるいは関連する科目等
文系教養科目や基礎セミナ−などの関連科目を広く履修することが望ましい。
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●授業内容
はじめに 中世という時代について
T.国家
1.中世国家論の現在
官職請負国家論 権門体制国家論 「家門体制」論
2.国家領域
3.対外関係と蒙古襲来
II.社会
1.荘園公領制と村落
2.身分制
百姓 職能民(神人・寄人・供御人・非人) 下人・所従
III.宗教
1.顕密仏教と鎌倉新仏教
2.密教と神国思想
3.国家・共同体の宗教と個人の信仰
大テーマごとに理解度を知るため小テストをおこない、かつ、質問を受け付ける。
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●成績評価の方法
期末テスト(70%)テーマごとに行う小テスト(30%)
小テストは出席確認の意味を含む。
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●教科書
なし 随時資料を配付する。
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●参考書
必要に応じて講義で紹介する。なお、網野善彦『日本社会の歴史』上・中・下(岩波新
書)を参照する。
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●注意事項
高校日本史程度の基礎知識が必要。もし、高校時代に履修していない場合は、前掲参考
書を読んでおくこと。
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