2007年度 シラバス情報詳細

●科目区分
文系基礎科目

●科目名
比較文化論
●主担当教員名
齋藤 文俊

●単位数
2単位

●開講時期
T 期
火・1
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい
 江戸時代に上田秋成の著した『雨月物語』(九つの短編からなる怪異小説)は日本の代

表的な古典作品の一つであり、映画にもなり、現代も様々な小説・ドラマ(ホラーなど)

のもとになっている。そしてその『雨月物語』のもとには、中国や日本の様々な文献があ

って、作者の上田秋成はそれらのものを「翻案」することによって一つ一つの作品を完成

させていったのである。                             

 本講義では、『雨月物語』を注意深く読みながら(もちろん「古文」で)、「日本と中

国」をはじめ、「現代と古代」など様々な文化を比較してみていきたい。       


●履修条件あるいは関連する科目等
日本の古典をじっくり読んだことのない人、受験勉強で古文が嫌いになってしまった人、

これから先の人生において日本の古典なんか読むことはないだろうと思っている人、特に

歓迎する。                                   


●授業内容
 まずは、『雨月物語』をじっくりと読んでいく。九つの短編の中から、この講義で取り

上げる作品は下記の四つである。                         

  1 菊花の約                                

     (どうしても約束を守れなくなってしまった時、あなたならどうする?)  

  2 浅茅が宿                                

     (故郷に残した妻は、戦乱の世に七年も夫の帰りを待っているのだろうか。)

  3 吉備津の釜                               

     (妻の恨みの恐ろしさ。この物語の結末を是非映像化してみてください。) 

  4 蛇性の淫                                

     (いつの時代もストーカーは恐ろしい?)                

それぞれの短編につき、                             

  ○秋成は中国の小説や日本の古典をどのように「翻案」していったのか      

    →中国怪異小説との比較、日本古典相互の比較               

  ○現代でこの『雨月物語』を「翻案」するとしたらどのような設定・展開になるのか

    →現代と古代の比較                           

  ○それぞれの作品の根底に存する秋成の主張は何か               

などの問題を考察していく。                           

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
講義中に課された課題の提出状況(40%)、及び期末レポート(60%)      

                                        

                                        



●教科書
森田喜郎『校註 雨月物語』笠間書院                       

                                        

                                        


●参考書
『雨月物語』の現代語訳や注釈書、さらには漫画にいたるまで、参考書類は多数ある。 

講義の中でも紹介をしていくが、図書館・書店などでも簡単に見つけることができる。 

                                        

                                        


●注意事項
ほぼ毎回課題の提出を求める。                          

教科書は第2回目の講義までに必ず用意しておくこと。               

                                        

                                        



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