2007年度 シラバス情報詳細

●科目区分
言語文化T

●科目名
英語(リーディング)4
●主担当教員名
村主 幸一

●単位数
1単位

●開講時期
V 期
木・3
●対象学部
文学部



●本授業の目的およびねらい
1 学術的な英語の文章を精読する力を養う。高校までの英語力によって、ものご   

 とを描写する類の英文は理解できても、抽象度の高い知的な議論を理解するまで   

 には相当の道のりがある。そのための「読みの姿勢」を学ぶ。           

                                        

2 メディア研究の論文を通して、ニュース・バリュー、ニュース生産のプロセス   

 とイデオロギーの関係、グラムシの理論の応用などについて知る。         

                                        


●履修条件あるいは関連する科目等
なし。                                     

                                        

                                        


●授業内容
<テキストの内容について>                           

「客観、中立、バランス」は、ジャーナリズムが政治的勢力・国家的勢力から独立した 

「第四の階級」の地位を主張する基礎となっている。その機能は、公共圏の中で独立し 

た情報を提供することを通し、マスメディアの社会的責任と、民主主義社会の健康な働 

きを保証するものとされている。だからニュース分析はメディア研究の核を成す。同時 

にニュースは、文化商品である。この点には、ニュースとメロドラマとの類似性も見て 

取れる。すなわち、際限なく続く事件と、決してそれらを総合しないという特徴である。

我々が日常的に接するニュースは、必然的に、制度的な圧力と構造の産物であり、選択 

と構築の産物である。その研究の中心は権力の問題であるーーメディア機関と政府との 

関係における権力、メディア機関の内部の権力。                  

(1)第一の論文は、初めに「ニュース・バリュー」について議論する。ニュース・バ 

リューを構成する要素として、1)ドラマ性、2)視覚的な魅力、3)娯楽性、4)重 

要性、5)サイズ、6)近接性、7)簡略性、などが挙げられる。          

(2)第二の論文は、第一の論文よりも理論的である。ニュース生産のプロセスにグラ 

ムシのヘゲモニー理論を応用する。数多くの「無秩序な」事件を秩序立てることは、ま 

た意味を与えるプロセスでもある。そのやりかたは、意味のマップの中への事件の位置 

づけよって成される。その地図はこの社会の写し絵であり、我々はすべてそれを共有し 

ていると見なされる。解釈の枠組みの中におかれた事件は、破壊的・問題含みとして、 

意味づけられる。「公平、バランス、客観」を確保しようとする作業ルールそのものが、

権力者の利益になるように機能すると議論される。メディアに関心のある人には、大変 

興味深い議論である。                              

<クラスでの学生諸君の作業>                          

最初のクラスでモデルを示すつもりですが、一つのセンテンスを適宜区切りながら訳し 

てゆきます。語法、構文、内容理解など、どれもおろそかにせず、丹念に英文を読み解 

いてゆく作業をしてもらうつもりです。                      


●成績評価の方法
(1)単語テスト、30点満点。(2)発表、10点満点。             

(3)レポート、20満点。(4)学期末テスト、40点、             

(5)授業時、教員の質問に正解すれば一回につき5点。              



●教科書
プリント教材を使用(南部生協1階購買奥の印刷部で各自購入。           

その際、クラスの曜日時限担当教員名を確認すること)。              

                                        


●参考書
佐藤卓己『メディア社会 現代を読み解く視点』(岩波新書、2006)       

佐藤卓己『現代メディア史』(岩波書店、1988)                

ノーム・チョムスキー『メディア・コントロール』(集英社新書、2003)     

金子勝他『メディア危機』(NHKブックス、2005)              


●注意事項
欠席と遅刻のルールあり。                            

                                        

                                        

                                        



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