●本授業の目的およびねらい
【テーマ:光エネルギー変換と環境浄化】 大気中や水中に排出される極微量の汚染物質
によってでさえ、深刻な環境問題が引き起こされており、人間自らがその効果的な除去方
法を開発し、環境浄化にとり組まなければならない。実用化の期待できる新技術の1つと
して、酸化チタン光触媒を利用した汚染物質の光分解・無害化法があり、現在活発に研究
されている。本セミナーでは、「太陽光エネルギーの有効利用」というテーマを題材とし
て、大学で行う学問や知の探究について主体的に取り組む意欲・自主的な学習能力を習得
するとともに、環境改善のための最先端の化学的手法について学ぶ。
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●履修条件あるいは関連する科目等
本テーマに関して興味があること、これまでの授業において学習していないことにも積極
的に取り組む意欲があること。現在の専門性は問わない。
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●授業内容
クリーンで無尽蔵にある太陽光エネルギーを利用する化学的な手法として、酸化チタンな
どの半導体ナノ粒子を用いる光触媒や、色素増感太陽電池が活発に研究されている。本セ
ミナーでは、これら最先端の研究分野の基礎を学ぶとともに、その応用に関して討論する
ことを目的とする。
1.半導体とこれを用いる光エネルギー変換に関する基礎を説明し、具体的なサブテーマ
を学生自らが考える。
2.サブテーマについて、各学生が基礎的な事項と最先端の文献等を調査する。
3.サブテーマについて、教員やティーチングアシスタントと協力して、まとめや報告書
作製を行う。
4.サブテーマに関して、発表と討論を行う。
5.討論において新たに生まれた課題などについて、詳細に調査する。
6.太陽光エネルギーの有効利用のための最先端の化学的手法について、全学生が協力し
て、まとめを行う。
光エネルギー変換とそれを用いる環境浄化に関して、興味と学習意欲をもって自主的に取
り組むことが重要である。
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●成績評価の方法
意欲、発表内容、レポート、討論への参加
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●教科書
「光触媒のしくみがわかる本」、大谷文章 著、技術評論社
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●参考書
「ベーシック電気化学」、大堺利行、加納健司、桑畑 進 著、化学同人
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●注意事項
授業時間以外にも、文献検索を行う必要がある。
torimoto@apchem.nagoya−u.ac.jp
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