2007年度 シラバス情報詳細

●科目区分
基礎セミナー

●科目名
基礎セミナーA
●主担当教員名
小寺 吉衞

●単位数
2単位

●開講時期
T 期
火・5
●対象学部
医学部(保)



●本授業の目的およびねらい
セミナーのテーマ: 感覚と認識について考える                  

ヒトはその持っている感覚,すなわち視覚,聴覚,味覚,嗅覚,触覚と多様な感覚器官で

自身の周辺や遠方の情報を察知し対象を認識する。そのとき,各感覚器官はそれらをどの

ように感じ,また,脳はそれをどのように認識するのかを考える。同様に,カメラや各種

センサーを用いて取り込んだ情報をコンピュータで解析して認識するにはどうすればよい

かを考え,最終的には人型ロボット(単に形が似ているというだけでなく,感覚や感情,

思考などがヒトに近いロボット)は実現可能か考えてみる。             


●履修条件あるいは関連する科目等
実際にコンピュータ等を用いるのではなく,あくまで論理と思考のみで考察する。した 

がって,特に条件はなく,できれば文系の人と理系の人が融合して考えることが望まし 

い。                                      


●授業内容
1.初めに,ヒトの感覚器官についてテキスト等で少し学習する。          

  ・特に視覚と聴覚を中心に考察する。                     

  ・それ以外の感覚についても考察を行う。                   

2.いくつかのグループに別れて調査,考察を行い,全体で議論する。        

  ・視覚を用いて周辺を認識する作業を解析する。                

  ・視覚を用いて文字を認識する作業を解析する。                

  ・聴覚を通じて言葉を理解する作業を解析する。                

  ・手話は文字か言葉か。                           

  ・九官鳥の発する声は音か言葉か。                      

  ・その他の感覚器官と認識について。                     

3.これらの考察を行った後,ヒトと同じ思考を持った機械=チューリングマシンについ

  て考察する。                                

4.さらに,「ヒトと同レベルの人工知能は可能か。」について考えてみる。できれば,

  可能だと考えるグループと可能ではないと考えるグループに別れて討論する。   

5.テーマと医療との関係(以下参照)について考察する。             

                                        

テーマと医療との関係:                             

感覚と認識は医師の検査と診断に似ている。画像診断ではX線写真などを見て(感覚),

異常陰影などがないかを調べる。もし,異常陰影があれば(認識),それが悪性のもので

あるのか良性のものであるのかを考え診断を行う(決定)。これら一連の作業を医師は無

意識のうちに行っているが,これをコンピュータで行おうという研究がある。これらはコ

ンピュータ支援診断システムあるいは自動診断システムと呼ばれているが,両者はその概

念が全く異なる。また,医師以外にも同様のモデルを考えることができるかどうか,最終

的には,これらのことも含めて討論を行う。                    

                                        


●成績評価の方法
努力・意欲・積極性,理解力・発表能力・内容,討論への参加・注意力,報告書・レポー

ト(各25%)                                 

                                        



●教科書
使用しない。                                  

                                        

                                        


●参考書
セミナー中に適宜紹介する。                           

いくつかはこちらで準備する。                          

                                        

                                        


●注意事項
自分自身の感覚を強く意識すること。書物に書いてあることは所詮人の意見である(私の

意見も含めて)。                                

                                        

                                        



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