●本授業の目的およびねらい
本講義では、20世紀以降の西洋音楽の代表的作品やその美学的コンセプトについて
学び、現代の音楽状況と課題などについて考えることを目的とする。また、基礎的な音楽
理論や20世紀の作曲理論・分析理論の理解をめざし、集合論、記号論、情報処理などの
諸分野と音楽との関係を学ぶ。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
条件は特に設定しないが、音楽について深く考えようという意図を持った学生を望む。
また、日本の中学校履修程度の音楽の知識を持っていることを前提とする。
|
●授業内容
・ イントロダクション:20世紀の作曲と音楽理論
・ 1910年代の音楽状況
・ 調性と無調−−音高構造、形式、調性の図式とその変化、複調、逸脱和音、全体理
論としての機能和声の変遷、後期ロマン派から20世紀語法へ、無調様式、
表現主義、12音技法の初期形態、12進法と楽音、etc.
・ 12音技法の代表的な言表例
・ 第2次世界大戦前の民俗文化意識と音楽
・ 戦後音楽の始まり???西欧の場合、日本の場合???
・ 1950年代の音楽−−トータル・セリー、音響の構成、不確定性と偶然性、音楽
の身ぶりと音楽する身ぶり、現代音楽祭と作曲家たち、政治と作曲家たち、戦後世代
のジレンマ、文化摩擦と音楽表現、高度経済成長と音楽表現、環境意識と音楽、
音/沈黙、時間/空間、etc.
・ 電子音楽からコンピュータ音楽へーー創作環境と作品の語法、音楽の情報処理、
ディフュジョンと建築、音楽におけるインタラクション、etc.
参考文献:『音楽中辞典』(音楽之友社)、The New Grove
Dictionary of Music and Musicians、
グラウト/パリスカ『新西洋音楽史(下)』、長木誠司監修『作曲の20世紀T、U』
ポール=グリフィス『現代音楽小史 ドビュッシーからブーレーズまで』、
沼野雄司『リゲティ、ベリオ、ブーレーズ』、石田一志『モダニズム変奏曲』
|
●成績評価の方法
学期末テストの他、授業進度に従って適宜レポートや小テストを課すので、それらを総
合的に評価する。めやすとしては、学期末テスト4割程度、中間レポート3割程度、小テ
スト(2?3回)3割程度、という分割となる。
|
●教科書
なし。授業中に適宜プリントを配付する。
|
●参考書
「授業内容」の項目参照。そのほか講義時に随時紹介する。
|
●注意事項
|