●授業内容
20世紀後半における生物学の発展により、主要な死亡原因疾患である癌や動脈硬化性疾
患(心筋梗塞、脳出血)などの分子病態が急速に明らかになってきた。これらの疾患の多
くがいわゆる遺伝子の変異によって引き起こされていることが理解できるようになってき
た。現在では、種々の細胞機能の異常が様々な疾患をもたらすと考えられている。例えば
、細胞の増殖は、細胞増殖因子などの外界シグナルが細胞内情報伝達機構を巧みに調節す
ることによって制御されている。これらの情報伝達系の異常が癌などの疾患の発症につな
がる。したがって、種々の疾患の成因や治療法を理解するためには生物学の基礎を学ばね
ばならない。具体的には、細胞の成り立ち、細胞内小器管、糖質、脂質、蛋白質、核酸、
イオンなどの生体構成成分について理解する。代謝、DNA複製、転写、翻訳、細胞周期
、分泌、イオン動態、細胞内情報伝達機構、細胞骨格、細胞接着などの細胞の基本現象も
理解する。
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