●本授業の目的およびねらい
明代文化史)一般的に言うならば、明代というのは中国史の中でも比較的なじみの薄い時 代、今日ではどうもそのようであるが、実のところ明代は、ひとつの文明世界としての中 国が最後にたどりついた、伝統中国の完成期であった。つまり明代とは、前近代の中国が 秘めていた可能性をもっともよく示す時代であり、この時代を理解することは、中国がな ぜ自力では近代に到達し得なかったのか、という大きな問題への解答にもつながるであろ う。本授業では明代という時代の性格につき、文化史を通じて理解を深め、そのことで単 なる知識の寄せ集めではない中国史像をもつことを目指す。
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●履修条件あるいは関連する科目等
予備的知識の有無、程度は問わないが、中国の歴史、文化に対して関心をもっているこ と。
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●授業内容
1)中国史上の近世 2)科挙と朱子学 3)明初の文化 4)変化のきざし……明代中期の社会と文化 5)明代前半期の出版 6)陽明学の成立 7)陽明学の異端的展開とその成果 8)明末の学術と出版 以上の内容につき、各項二回程度の講義を行なう。 参考文献)島田虔次『朱子学と陽明学』(岩波文庫、1967) 入矢義高『明代詩文』(筑摩書房、1978、増補版、平凡社東洋文庫、2007)
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●成績評価の方法
試験によるが、出席が三分の二に満たない場合は受験資格を認めない。
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●教科書
特に用いない。
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●参考書
授業内容の項を参照。
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●注意事項
本講義のテーマにつき何の関心もなく、ただ単位取得のためのみに受講しても、いたずら に時間、精力を費やすだけで、目的を達成できない恐れが多分にあるので、その点をよく 考えた上で選択されたい。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
上記注意事項をよく読んでおくこと。
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