2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190013313

●科目区分
基礎セミナー

●科目名
基礎セミナーA
●主担当教員名
飯嶋 徹

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅰ期
水・3
●対象学部
理・工(化生・物工・電情・エネ・土建)



●本授業の目的およびねらい

「宇宙はどのようにはじまったのか?」、「なぜ反物質は存在しないのか?」、「量子コンピュターは実現するのか?」、「超伝導の転移温度はどこまで上がる?」などなど。現代物理学は、20世紀初頭の相対性理論と量子力学の誕生によって爆発的に進歩し、様々な現象の理解が進みましたが、依然として人類の理解が及ばないこのような謎や課題が多く存在し、その答えに関する探求が進んでいます。本セミナーでは、「物理学70の不思議???」(日本物理学会編)を題材として、現代物理学研究の最前線の話題をとりあげ、調査をとおして、わかったことや将来解決すべき課題を理解することを目指します。

●履修条件あるいは関連する科目等

特にありません。課題に積極的に取り組み議論に参加できる人を歓迎します。資料は学部生以上を対象にして書かれたもので、数学的な予備知識も必要ありません。

●授業内容

セミナーは以下のように進める予定です(ただし、参加者と話し合いながら変更する可能性があります)。
第1回 ガイダンス:セミナーの進め方を話し合います。
第2−4回 トピックス紹介:最初の数回は、資料にある70の謎のサーベイを行います。分担を決めて、担当者が各トピックをスライド1枚にまとめ5分程度でその概要をみなさんに紹介します。
第5−6回 調査するトピックの決定:前回までに紹介されたトピックスの中から、各人が更に詳細を調査するトピックを3件選定し、より詳しいことを調査する方針を議論します。同じ興味を持った者同士で共同作業を行うことも有効です。
第7ー11回 調査と報告:各自が選んだトピックについて、図書館やインターネットなどを使って調査してきたことを発表し、よくわからないことを議論しながら、理解を深めてゆきます。
第12−14回 調査のまとめ(プレゼンテーション):一人15分程度で、各自が選んだトピックについて、トピックの概要、自分で調査してわかったことや、今後の課題をまとめ発表します。
第15回 反省会:このセミナーで得られた発見や疑問に思ったことを各自が自由に発表します。

時間が許せば、名古屋大学で行なわれている研究の紹介や研究室の見学なども取り入れてゆく予定です。


●成績評価の方法

出席、発表内容、討論への積極性、レポート(各25%)により評価します。学期途中で履修の意思がなくなった場合,履修取り下げ届を提出する必要があります。

●教科書

特に指定しない。

●参考書

「物理学70の不思議」(日本物理学会)https://www.jps.or.jp/books/gakkaishi/70wonders.php


●注意事項

発表資料やレポート作成時に本やウェブページを参考にした場合は情報元を示して下さい。

●本授業に関する参照Webページ

http://www.hepl.phys.nagoya-u.ac.jp/~iijima.nagoya/ToruIijima/nuilas_kisoseminar.html

●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

 皆さんは、これから大学で色々なことを学び、将来の進路を決めてゆくことになります。どんな道に進むにせよ、人類の知の到達点がどこまで伸びていて、これから解決すべき課題はなんなのか?ーこうした「知の地平線」を知っておくことは重要です。そして、自分の知的好奇心を育て、より豊かな知的探求を行うためには、常に三つぐらいの興味ある課題を持っておくことが有用だと思います。物理学は前世紀に画期的な進歩をとげ、かなりのことが理解できるようになりましたが、依然として解明すべき課題が多く存在しています。このセミナーが、皆さんのこれからの知的探求の端緒になれば、と思っています。
 皆さんが積極的に議論に参加してくれることを期待しています。「ばかなことではないか?」と思うことでも恥ずかしがらずに質問し意見を述べてください。そうした姿勢を身につけることも本セミナーのねらいです。


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