2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190043302

●科目区分
文系教養科目

●科目名
芸術と人間
●主担当教員名
酒井 健宏

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅳ期
水・3
●対象学部
文系



●本授業の目的およびねらい

芸術と人間のかかわりを学ぶ糸口は数多くあるだろう。なかでも映画はその重要な候補の一つだ。映画は19世紀末の登場から今日まで、様々なテクノロジーの投入先であるとともに、他の芸術表現から多くのテクニックを借り入れることで成り立ってきた。それ自体が芸術と見なされる一方で、社会を直截的に映し出す鏡として、あるいは人々の視線の先を切り取る窓として形容されることもしばしばある。この授業では主に映画の歴史的変遷と諸相に着目することを通して、芸術表現の多彩な特性について知り、芸術作品と人間社会の関係について多様な視座から考察する力を身につけることを目的とする。

●履修条件あるいは関連する科目等

芸術全般に関心ある者の受講を歓迎する。全学教養科目のうち芸術系の講義(現代芸術論、表象芸術論、音楽芸術論、芸術と人間精神)をあわせて履修することを推奨する。

●授業内容

初回に、授業内容と履修要件などに関する説明を行う。第2回からは、映画に関するトピックを媒介として、芸術と人間のかかわりについて概説する。毎回、授業のおわりに小レポートを提出することで要点を整理し、理解を深める。レポートの問いは各回の内容に合わせて設定する。第13回に期末レポート試験を出題し、第15回の授業のおわりを提出の期限とする。

01 イントロダクション:授業の概要、目標、進め方に関する詳細な説明を行う
02 映画の公理的特徴と諸芸術(1):ショット、シーン、シークエンス
03 映画の公理的特徴と諸芸術(2):物語世界、時空間、因果関係
04 映画の公理的特徴と諸芸術(3):色彩、音響効果、パフォーマンス
05 映画の歴史と芸術的探究(1):写真、初期映画
06 映画の歴史と芸術的探究(2):古典的ハリウッド映画
07 映画の歴史と芸術的探究(3):芸術運動からの影響1
08 映画の歴史と芸術的探究(4):芸術運動からの影響2
09 映画の歴史と芸術的探究(5):電子画像とメディアアート
10 映画の歴史と芸術的探究(6):マスメディアとコマーシャル
11 映画と人間社会の諸相(1):複製技術による芸術の変容と大量消費社会
12 映画と人間社会の諸相(2):人種・民族、階級、ジェンダーと芸術作品
13 映画と人間社会の諸相(3):コミュニケーション・ツールとしての芸術表現
14 映画と人間社会の諸相(4):芸術鑑賞の場と機会の変容
15 まとめと考察:授業内容を総括し、発展的学習のための参考資料を紹介する

●成績評価の方法

全授業数のうち2/3以上の出席を必要とする。履修を取り下げる場合は履修取り下げ届を提出すること(取り下げた場合は「欠席」、出席不足の場合は「F」)。各回に実施する小レポートの記述(40%)と学期末レポート試験(60%)により総合評価を行う。

●教科書

特定の教科書は使用しない。必要に応じてプリントを配布する。

●参考書

デイヴィッド・ボードウェル、クリスティン・トンプソン「フィルム・アート 映画芸術入門」名古屋大学出版会(ISBN: 9784815805678)
その他、各回の授業の内容に応じて文献・資料を紹介する。

●注意事項

本授業科目は、実務経験のある教員(映像作家)が、その実務経験を活かして行う授業科目である。映像資料を多く活用するが、長尺の映像ソフトを全編見ることはない。各回、スライドを提示しながら進行する。なお、講義形式であっても積極的な発言や質問を歓迎する。ただし、授業と関係のない私語や、スマートフォンなどの使用は慎むこと。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

芸術の豊かさや人間が築いてきた文化の奥深さを体感しようとするならば、大学の講義室はあまりにも狭すぎると思います。しかも、授業では豊かさや奥深さの一端のみを駆け足で紹介することしかできません。取り上げた貴重な作品たちや資料・文献の出典、そしてそれらに関連する興味深い展覧会・公演などの情報について、なるべく詳しく提供します。各自の関心に従い、私的な時間を積極的に芸術表現の鑑賞や体験のために費やしてほしいと思います。


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