2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190025139

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
化学基礎Ⅱ
●主担当教員名
松宮 弘明

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
金・1
●対象学部
工(物工)



●本授業の目的およびねらい

「化学基礎Ⅰ」では物質の構造論を学びました。即ち、原子や分子の成り立ちを微視的
観点から理解したわけです。一方、微視的観点だけでは物質の本質は理解できません。
この「化学基礎Ⅱ」では、巨視的観点から物質の変化を学んでいきます。即ち、物質を
極めて多数の原子や分子の集合体として考え、物質が固体、液体、気体と変化したり、
ある物質が化学反応によって別な物質に変化する現象を、如何にして理解し、更には
制御するか、熱力学を切り口にして基礎を学んでいきます。「化学基礎Ⅰ」とは視点を
変えて物質に対する理解を深め、各自が将来取り組む工学研究の礎とします。

●履修条件あるいは関連する科目等

工学部物理工学科の学生が対象です。
「化学基礎Ⅱ」は、Ⅰ期に開講された「化学基礎Ⅰ」の学修を前提としています。

●授業内容

1.熱力学第一法則(内部エネルギー、仕事、熱、エンタルピー、熱容量)
  いわゆるエネルギー保存の法則です。自然現象におけるエネルギーはポテンシャル
  エネルギーや熱エネルギーなど姿形は変われども、その総和は一定に保たれます。

2.熱力学第二法則(エントロピー、自由エネルギー)
  第一法則でエネルギーの総和は変わらないと規定されますが、その枠内であっても
  変化は自在に進むわけではありません。その変化が自然に進むべきものなのか否か
  別な法則で規定されます。それが熱力学の第二法則です。

3.相変化、相平衡(化学ポテンシャル、状態図)
  いわゆる物質の三態の変化です。熱力学の第一法則、第二法則から自由エネルギー
  という概念が登場しますが、更に化学ポテンシャルに発展させ、これを基にして
  物質の三態の変化を理解します。

4.化学平衡(化学ポテンシャル、平衡定数)
  化学ポテンシャルは物質の三態の変化のみならず、別な物質に変化する化学反応の
  理解にも有用です。反応が進む方向、また、反応物と生成物の最終的な比率を予測
  し、更には制御するにはどうすればよいか学びます。

5.溶液の性質(ラウールの法則、理想溶液と実存溶液)
  物質が液体に溶解すると溶液になり、純粋な液体とは性質が変わってきます。
  純物質と混合物が示す挙動の違いについて、基礎的事項を学びます。

●成績評価の方法

期末試験の結果(60%)を基にレポートの成績(40%)を考慮し、100点満点で60点以上を
合格とします。期末試験の受験資格や履修取り下げ制度については下記「注意事項」を
参照して下さい。

●教科書

「化学基礎Ⅰ」の教科書を引き続き使用します。
野村浩康、川泉文男 共編
「理工系学生のための化学基礎」(学術図書出版社)

●参考書

アトキンス(著者名)をはじめとする物理化学の教科書が数多く出版されています。
もちろん訳本が出ており、図書館にも置いてあります。ご参考ください。
読み応え十分であり、より深い理解が得られるでしょう。

●注意事項

レポートを期限までに提出しなければ(一度でも)、期末試験の受験資格を失います。
履修取り下げ制度は採用せず、期末試験の未受験を「欠席」とします。
「化学基礎Ⅰ」と合わせて、化学の学問体系に共通する理論の基礎を学んでいきます。
高校までの暗記科目の雰囲気とは異なるので、意識を切り替えて取り組みましょう。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)




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