●本授業の目的およびねらい
本講義は、企業の財務行動を考えるための基礎理論の習得を目的とします。 講義の内容は、証券投資と資産価格の基礎理論です。 これらの理論は、金融工学と呼ばれる分野に直接つながります。 本講義では、標準的な数式モデルの導出とこれを用いた演習を通じて(※)、これら理論の定量的な理解を図ります。(※実験や実証は行いませんが、高校の物理のイメージが比較的近いように思います)
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●履修条件あるいは関連する科目等
ベクトルと行列の演算の能力は必須。さらに確率と統計の知識があることが望ましい。
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●授業内容
財務の意思決定を理解するには、金融経済学の基礎知識が必要です。本講義では金融経済学の基礎になる資産価格論を概説し、段階的演習により資産価格を導出します。
<準備:資産価格の基礎> 1. オリエンテーション、バランスシートを使った用語説明 2. 金利と債券価格(演習) 3. 投資とリターン(金利、利回り、リターンの関係) 4. 効率的市場仮説
<発展:証券投資の理論> 5. 期待効用仮説 6. リスク回避度の算定(演習) 7. リスク回避度と最適投資額(演習) 8. 分散投資のリスク低減効果(演習) 9. 最適ポートフォリオ選択 10. 最適ポートフォリオ選択(演習)と分離定理 11. 1次試験
<応用:資産価格の理論> 12. 合理的期待と市場均衡 13. 均衡株価の導出(演習)
<歴史:資産市場と資産価格の概観> 14. 資本市場の歴史と意義、日本の株価・金利・為替レートの推移 14. 株式会社の誕生と意義、総復習
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●成績評価の方法
・1次試験(授業中)と2次試験(期末)による ・合格要件:上記両方に合格 ・欠席扱い:1次試験の未受験者とその不合格者
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●教科書
特に指定しない。 必要な教材は、本講義の専用サイトを通じて提供する。
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●参考書
砂川伸幸「コーポレート・ファイナンス入門」(日経文庫)。
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●注意事項
合格へのアドバイス:段階的な演習を毎回確実に理解して1次試験に臨むこと
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●本授業に関する参照Webページ
http://www.soec.nagoya-u.ac.jp/~nakashima/BA/index.htm
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
内容は難しいものではありませんが、多くの受講生にとって馴染みのない分野であるため理解し難い傾向があるかもしれません。 このため、受講姿勢が成績を大きく左右します。 この点については、上記の「成績評価の方法」と「注意事項」を参照してください。
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