●本授業の目的およびねらい
本講義では、システム工学への入門として、多変量解析とよばれるデータ解析の方法を学ぶ。多変量解析とは、いろいろな問題に現れる数値データ間の関係を明らかにして、大規模なデータの中からその特徴を抽出し、評価や予測につなげるものである。これは、文系学生が将来直面するであろう様々な問題に適用できる。本講義のねらいは、通常の文系学生が持つ知識をもとに必要な数学的手法を学びつつ、多変量解析の考え方と方法を修得することである。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
自習、レポート課題を行うため、EXCELを使える環境にあることが必要である。
|
●授業内容
1.多変量解析の基礎知識 01. 多変量解析とは 02. 平均と分散 03. 共分散と相関係数 2.重回帰分析:データ間の関係を予測する 04. 単回帰分析 05. 重回帰分析 06. 結果の評価(決定係数、重相関係数) 3.中間発表:1、2で学んだことを自ら設定した課題に適用する 07. 中間発表(1) 08. 中間発表(2) 4.主成分分析:データ解析の「切り口」を見つける 09. 主成分分析の基本的方法と第1主成分の求め方 10. 特性方程式とその解法 11. 結果の評価(寄与率、変量プロット、主成分得点) 5.正準相関分析:2組の変量群の関係を探る 12. 正準相関分析の考え方と方法 13. 結果の評価(構造係数、寄与率、冗長性係数) 6.最終発表 :5までに学んだことを自ら設定した課題に適用する 14. 最終発表(1) 15. 最終発表(2)
|
●成績評価の方法
レポート試験と課題発表を評価し、100点満点で60点以上を合格とする。期末試験は実施しない。履修取り下げ制度を採用する。
|
●教科書
特に指定しない。毎回資料を配布する。
|
●参考書
実習 多変量解析入門(涌井良幸、涌井貞美著)技術評論社
|
●注意事項
特になし。
|
●本授業に関する参照Webページ
|
●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
本講義では、多変量解析の基礎を学びながら各自が自身のテーマを設定し、学んだことがらを用いてデータの解析を行います。どのようなテーマを選んで、解析から何がわかったかを考えることが重要です。また、他の人の発表から学ぶことも多いはずです。 これまで取り上げられた例として、「交通事故の原因」、「平均寿命の都道府県別特徴」、「Jリーグで勝ち点を多く挙げるための方策」、「ディズニーランドの設備とはやり具合」、「ネコ科動物の身体的特徴と走行速度」、「肥満について」、「大学の特徴と実力」、「果物の人気の要因」など、多彩なテーマが取り上げられました。 なお、高校の数学で未履修の部分についても、必要に応じて、補習を行います。
|