●本授業の目的およびねらい
近年の地球環境をめぐる諸問題を理解する上で、大気や海洋を中心とした地球システムに対する総合的・包括的理解が不可欠になっている。本講義では、まず大気環境や海洋環境に関する個別のテーマを提示し、これを科学的に理解する上で必須となる基礎的な物理学・化学・生物学・地学を学修し、これを用いて個別のテーマの本質を科学的に理解する作業を繰り返す。最終的に地球環境の成り立ちや、それらの制御因子など、複雑系である地球環境に関する総合的な理解力を身につける。
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●履修条件あるいは関連する科目等
無し。
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●授業内容
各回毎に以下のテーマで講義を進める。
1)地球誕生と進化の歴史:なぜ地球には海と空気があるのか? 2)太陽放射と赤外放射活性気体:なぜ地球と金星の環境は大きく異なるのか? 3)地球の炭素循環と海洋の炭酸系:なぜ地球は金星にならずに済んだのか? 4)栄養塩と一次生産:なぜ戻りガツオは美味しいのか? 5)空気と海水の物理と化学1:なぜ海水は塩辛いのか? 6)空気と海水の物理と化学2:なぜ金目鯛は赤いのか? 7)海水の水平移流・鉛直混合:なぜヨーロッパは暖かいのか? 8)酸化・還元反応と続成過程:化石燃料はいかにして蓄積されたのか? 9)大気の物理と化学1:なぜ二酸化炭素が大気下層に溜まらないのか? 10)大気の物理と化学2:なぜ大気中にオゾンが存在するのか? 11)地球に住み続けるにはどのようにすれば良いのか?
以上。
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●成績評価の方法
各回の小テスト(出席点を兼ねる)の合計、もしくは期末試験のうち、良い方をもって最終評価とする。
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●教科書
指定しない。
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●参考書
Wallace S. Broecker著「How to Build a Habitable Planet」(ISBN-13: 978-0961751111)
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●注意事項
健康診断受診による欠席や、部活参加による欠席は基本的に救済しません。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
本講義は、各回の時間内だけで内容を完全に理解することが出来るように、履修内容を最小限に抑えています。試験前にまとめて学修するのでは無く、各回の時間内に理解するべく、毎回集中して講義に臨むようにして下さい。科学的・合理的な知識に基づく正しい地球環境像を確立しましょう。
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