●本授業の目的およびねらい
優れた科学者(工学研究者)には、芸術作品や芸術家に言及する人が少なくない。それは、芸術作品や芸術家がー理由はさまざまだがー科学者(工学研究者)にとって重要な意味を持つからにほかならない。であるなら、未来の工学研究者を目指す者が、いまの段階で芸術作品や芸術家について知っておくことにも意義はある。この授業では、名だたる科学者を取り上げ、彼らが著作において言及した芸術(芸術作品/芸術家)を紹介する。受講者は、芸術の何が科学者を惹き付けたのかを知り、各自今後の研究の一助とする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
酒井健宏先生の「芸術と人間」
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●授業内容
初回に、授業内容と単位取得要件に関する説明を行った後、第2回から、「科学者:科学者によって言及された芸術史上のジャンル/流派/芸術作品/芸術家」ならびに「芸術家:関連する科学・工学の分野/技術/概念」の組み合わせで、次のような人たちを取り上げます。取り上げる芸術分野が多岐に渡るようにしました。それぞれは、1回の講義で終わらないこともあります。毎回授業おわりに小レポートを提出してもらいます。
1 寺田寅彦:自画像(ゴッホ、セザンヌ) 2 中谷宇吉郎:影絵など 3 ウィーナー(サイバネティクス):ルイス・キャロル 4 有田隆也:ロシア構成主義 5 池上高志:フィシュリ&ヴァイス 6 岩崎秀雄:バイオアート 7 菊池誠:テルミンと電子音楽 8 サルバドール・ダリ:物質の不連続性 9 マルセル・デュシャン:切断 10 円城塔:自己言及 11 瀬名秀明:ロボット学 12 カルステン・ニコライ:可視化技術
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●成績評価の方法
取下げは実施しない。不合格:出席不足で期末受験の場合。欠席:1/3超の欠席、小レポ内容に問題(氏名のみ、単語のみ、代筆等)、出席と小レポ条件を満たして期末試験不受験の場合。授業妨害(理由なき遅刻、私語、メール等)も不可になる場合がある。
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●教科書
ありません。
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●参考書
授業中に適宜指示する。毎回次週の予告をするので、受講者は参考資料を見て課外学習をしておくこと。
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●注意事項
科学理論の詳説ではなく、芸術作品・芸術家の紹介が主であるため、芸術に関心のない人には向かない。また、芸術作品の鑑賞は鑑賞者の自由に任されるべきだ、との意見を持っている人は受講する必要がない。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
わたくしの専門は科学ではありませんから、講義の中心は、あくまで科学者によって言及された芸術(芸術作品/芸術家)になります。ご容赦ください。また芸術家は、科学用語をメタファーとして使用することがありますが、ここではそれを妄想/疑似科学として切り捨てず、それでほんとうに言いたかったことは何なのかを考えることにします。
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