2018年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20180023103

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
生物学基礎Ⅱ
●主担当教員名
一柳 健司

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
水・1
●対象学部
農学部(環境・資生)



●本授業の目的およびねらい

細胞の遺伝情報はDNAの塩基配列に暗号として書き込まれています。生物学基礎IIでは,DNAの構造と機能について学び,細胞が遺伝情報を複製,分配する仕組み,また解読,利用する仕組みを理解することを目的とします。また,分子生物学黎明期にこれらのメカニズムが解明された経緯も学び,分子生物学における思考法を習得することを目指します。さらに,遺伝子組換え技術の理解を通じて,関連する種々の社会的な問題を科学的に判断する素養を身につけることも目指します。

●履修条件あるいは関連する科目等

関連性のある科目は以下のとおり。
生物学基礎I(I期開講),生物化学1(I期開講), 遺伝学(III期開講)

●授業内容

前半はDNAおよびRNAの構造,DNAの複製および修復について解説し(担当:吉岡博文),後半に転写,翻訳,遺伝子発現調節など,遺伝子が発現してタンパク質となるまでの仕組みについて解説する(担当:一柳健司)。また随時,分子生物学的な研究の手法について重要なものを取り上げて説明する。

授業計画
01. はじめに:分子生物学の重要性
02. ヌクレオチドと核酸の構造
03. 染色体の構造
04. DNA複製の基本機構
05. 変異とDNA修復機構
06. DNAの組換えと転移性遺伝因子
07. セントラルドグマにおける遺伝情報の流れとRNA合成機構(転写)
08. 転写後のRNAプロセシング
09. タンパク質の合成機構(翻訳)
10. 遺伝子の変異とタンパク質の変化の関係
11. 遺伝子発現の調節機構
12. 多細胞生物の発生における遺伝子発現制御の重要性
13. レトロウイルス、レトロトランスポゾンと逆転写酵素
14. 遺伝子組換え技術
15. 授業の総括及び試験


授業のキーワード: DNA,遺伝子,核酸,転写,翻訳, 遺伝子発現調節

●成績評価の方法

・授業への取り組み(20%),試験(80%)による。
・履修取り下げ制度を採用する。
・定期試験を受験しない者は,欠席とする。

●教科書

「レーニンジャーの新生化学 上・下」第6版 川嵜敏祐監修(廣川書店)
ISBN-13: 978-4567244060(上), 978-4567244077(下)

●参考書

「ヴォート基礎生化学」 第4版(東京化学同人)ISBN-13: 978-4807908455
「キャンベル生物学」 原書9版 (丸善出版株式会社) ISBN-13: 978-4621085608

●注意事項

学生が学業について質問・相談をすることで個人的指導を受けられる時間 (オフィスアワー)については各教員にメールで問い合わせること。(@以下に「agr.nagoya-u.ac.jp」を付けてください)
吉岡博文:hyoshiok@;一柳健司:ichiyana@

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

本講義では、様々な生物現象を理解するのに非常に重要な「遺伝子とその制御」について講義します。生物個体が持つ性質の大部分はゲノム情報に書き込まれており、その分子実態はDNAです。異なる性質の元になる「変異」もDNA分子上に起こります。したがって、DNAの情報を正しく複製、維持することは生物にとって重要であり、その機構を理解することは新しい形質の出現や集団の遺伝的多様性等を理解する上で重要です。また、細胞がもつ様々な性質は主にタンパク質によって決められており、それぞれの細胞では、どのタンパク質を作り、どのタンパク質を作らないかが正しくコントロールされています。このようなコントロールのことを「遺伝子発現制御」と言います。環境変化への適応、個体発生(器官形成や細胞機能の分化)、恒常性、病気・健康、老化など、遺伝子発現の量やタイミングを制御することは様々な生命現象の根幹を成します。したがって、主に生物を対象として扱う農学分野では遺伝子発現制御機構の理解は必須です。本講義で、受講者が遺伝子とその発現制御の基本的な概念をきちんと理解することを目指します。


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