2018年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20180021315

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
微分積分学Ⅱ
●主担当教員名
内藤 久資

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
月・3
●対象学部
工学部(電情)[11・12]



●本授業の目的およびねらい

定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり,その中心的方法は微分・積分である.これらの方法は自然科学において必須の研究手法であるが,近年はさらに社会科学などにも広く応用されている.本科目は通年講義の後半として,多変数微分積分学の基本を理解し,様々の計算に習熟して応用できるようになることを目的とする.特に多変数関数のグラフなどを通して幾何学(空間)的イメージ,線形代数と結び付いた理解を重視する.

●履修条件あるいは関連する科目等

高校数学,微分積分学Iの内容を既知とする.微分積分学Iとあわせて完結した講義となる.
また、一部で線形代数学の知識を仮定する.

●授業内容

以下の授業内容は標準的に教えられるものであり,講義の順序を示すものではない.また,クラスによっては,さらに進んだ内容が教えられる場合もある.実際の講義予定は別に提示する.

1.多変数関数の極限と連続性
多変数関数(特に2変数関数)の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ.
(キーワード)ユークリッド距離,点列の極限,多変数関数の極限と連続性
(発展的内容)近傍,開集合,閉集合,連続関数の性質

2.多変数関数の微分法
多変数関数(特に2変数関数)について微分法の基礎を理解する.さらにそれを用いて,平面上の関数の様々な性質について調べられるようにし,極値問題などへの応用を学ぶ.
(キーワード)偏微分と方向微分,合成関数の偏微分,テイラーの定理,高階偏導関数,極値問題
(発展的内容)全微分,接平面の方程式,座標変換,勾配ベクトル,二次形式としてのヘシアン,陰関数定理,ラグランジュの未定乗数法,多変数関数

3.多変数関数の積分法
重積分の意味を理解し,累次積分による積分計算に習熟する.さらに,極座標変換などの例を通して,変数変換とその重積分への応用を学ぶ.
(キーワード)重積分,累次積分,変数変換,ヤコビアン
(発展的内容)積分順序交換,曲面積と体積,(多変数)広義積分,線積分,グリーンの定理

●成績評価の方法

主に中間試験・期末試験の成績により評価する.レポートの成績も加味する.
なお定期試験を放棄した場合には,基本的に「欠席」として扱う.

●教科書

鈴木紀明『解析学の基礎』学術図書 (2013)

●参考書

垣田高夫, 久保明達. 垣田高夫, 久保明達. 田沼一実『現象から微積分を学ぼう』日本評論社 (2011)
鈴木武, 柴田良弘, 田中和永, 山田義雄『理工系のための微分積分』内田老鶴圃(2007)
砂田利一『微分積分』東京図書(2017)

●注意事項

教科書は参考程度にしか使いませんが、自習するときの基本となる書籍と考えてください。

●本授業に関する参照Webページ

http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~naito/lecture/2018_AW_1E

●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

大学の微分積分を授業時間だけで理解・習得することは不可能です.授業は「きっかけ」にすぎません.スポーツや語学同様,数学の理解・習得も自分の頭で考え,トレーニングを繰り返してはじめて成し得ます.自習時間を十分に確保するようにして下さい.


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