2018年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20180024203

●科目区分
理系基礎科目(文系)

●科目名
化学入門
●主担当教員名
村田 静昭

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
木・2
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい

新しい化学物質の発明は文明の進化を支えてきた半面,物質の濫用や誤った使用が環境破壊などによって人々を苦しめてきた。この授業では,最近明らかになった様々なニュースや話題の中から,物質文明を支える化学物質について,自分たちの身の回りにある化学物質を例に上げて,物質の成り立ちを簡単に科学的に解説し,有用性/有害性(リスク)を理解しながら持続的に化学物質を活用して,便利で安全な生活を維持していくことを考える。

●履修条件あるいは関連する科目等

高等学校で化学を学習し、少なくとも原子・分子・化学結合について理解していることを前提に進める。

●授業内容

1)「安全・安心な生活とは何か」,「リスクとは何か」から講義を開始する。国立大学協会が作成した安
全教育に関する教材を用いて,リスク管理(軽減),緊急時の対応,コンプライアンスなど現代社会を安全
安心に生きるための基本事項を解説する。
2)化学物質が生命をコントロールするメカニズムについて,ホルモンおよび神経伝達物質の作用と外部的なシグナルによる妨害について解説する。
3)私たちの生活を支える次のような物質に内在するリスクを区分して,物質の構造と事故の事例(歴史的背景)に基づき便利さの影にある危険という視点から解説する。対象物質:合成繊維,合成樹脂,合成洗剤,対象リスク:火災,健康被害,環境破壊,未来へのリスク。
4)ディスカッションを通じて:リスクを軽減し,これらの物質を持続的に利用できる安心な社会を維持していくために必要なことを全員で考える。

授業の到達目標は次のとおりとする。
リスクに関して:“リスクゼロ“,“安全・安心”などの用語について正しく理解し,他人に説明できる。
火災予防に関して:燃焼の3要素を理解すること。万一火災に遭遇したときの適切な対処法を身につけ,火災予防と人的被害の防止について常日頃心がけた行動ができる。
環境破壊防止に関して:自分たちの生活そのものが環境破壊に通じることを理解し,化学物質がもたらす環
境破壊の防止について行動できる。
未来へのリスクに関して:シーア・コルボーン他著,長尾力訳「奪われし未来」の主な内容を理解し,危害防止について考えることができる。


●成績評価の方法

成績は,各到達目標に対して事前に与えられた課題に対する論述試験を行ない評価する。
講義中の意見発表に対してポジティブな評価を与える。


●教科書

特に指定しない。

●参考書

シーア・コルボーン他著,長尾力訳「奪われし未来」1997年翔泳社版
中谷内一也著:「リスクのモノサシ」 NHKブックス(2006)

●注意事項

授業時間の1/5程度は諸君とのディスカッションに使う予定である。ディスカッションの結
果,授業の進度や対象に変更が生じる可能性がある。本授業は「名大の授業」に取り上げ
られる予定である。積極的に授業に参加してくれることを希望する。

●本授業に関する参照Webページ

http://www.human.nagoya-u.ac.jp/lab/groupmurata/murata_classes.html

●担当者からの言葉(Webページのみ表示)




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