2018年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20180011402

●科目区分
理系基礎科目(文系)

●科目名
物理学入門
●主担当教員名
三浦 裕一

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅰ期
月・4
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい

「絶対零度」聞いたことがありますか。そこは凍結した「死の世界」なのか、果たして絶対零度に到達できるのか、鍵を握るのは「エントロピー」有名ですが謎の用語です。実はとても身近な概念です。例えば、自分の部屋を見てください。ほっておくと散らかってしまい、片づけるには「掃除(仕事)」が必要です。これと同じ法則が自然界を支配しているのです。この授業では、筆者が参加した「絶対零度への最接近プロジェクト」や「超電導・超流動現象」を解説し、さらに温度と熱、車の燃費、から地球温暖化まで題材にして、基本的な物理学の考え方を身に着けることを目指します。

●履修条件あるいは関連する科目等

高校物理の履修の有無を問わないが、論理的な考え方を学ぶ意欲がある学生を歓迎します。

●授業内容

以下の内容を想定しています。
数式は最小限にして、基本的な概念の理解を重視します。
そのため、簡単な物理実験も行います。

(1) はじめに:温度・熱・仕事とは
(2) 気体の分子運動と絶対温度;絶対零度とは?
(3) 秩序と無秩序:エントロピー増大の法則
(4) 熱力学の法則:車の燃費はどこまで上がる?
(5) ミクロの法則 量子力学;トンネル効果とは?
(6) 区別できない電子;電子に背番号をつけたら大変、世界が変わってしまう!
(7) 極低温の世界;零下270度以下、「寒い」では済まない
(8) マクロな量子現象:超流動と超伝導、泳いでも前に進まない流体?


●成績評価の方法

履修取り下げ制度を採用する。
レポートの成績、講義出欠、受講状況などにより判断する。


●教科書

分野が広いので教科書を設定できないが、ノートをしっかり取ること 。

●参考書

「極低温の世界」 長岡洋介、岩波新書
「物理学とは何だろうか」 朝永振一郎、岩波新書
 他に エントロピーを扱った解説本など


●注意事項

物理学の予備知識は問わないが、証拠に基づく論理的な考え方を学ぶ意欲のある学生を歓迎します。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

「温度は温度計を見れば分かる」これでは「電気はコンセントから来る」と同じレベルです。
何事も基本を理解することが重要です。
「人間の都合で作ったレール」が「自然界の法則」と矛盾して悲劇が起きないよう、法律や経済の体系も含めて合理的でなければなりません。都合の悪い事実に目をつむった、一方的な主張をよく聞きます。
地球環境を守り、事故や災害を防ぐためにも、物理学の合理的な考え方を学びましょう。
この考え方は他の自然科学だけでなく、社会的な問題を解決する上でも重要です。



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