●本授業の目的およびねらい
「政治」と聞くと、選挙と投票を思い浮かべるかもしれません。そして、「自分にはあ まり関係ないもの」と思うかもしれません。しかし、選挙と投票は、「政治」の一部ある いは一つの形態に過ぎません。「政治」には、それ以外の様々なやり方があります。実際 、私たちは、たとえ選挙に行かなくても、日常生活の中で「政治」に関わっています。こ の授業では、政治学の基礎的学力を身につけた上で、政治についての探求心を養い、「政 治=選挙と投票」という私たちの標準的なイメージの修正を目指します。その結果、「政 治」は確かに面倒だけれども、意外に身近なものでもあることに気づくはずです。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。
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●授業内容
以下の項目について講義します。履修者の理解状況を見ながら、適宜進捗を調整しま す。講義では、比較的詳細なレジュメを配布し、適宜参考文献を紹介します。そのレジ ュメおよび必要に応じて参考文献に基づいて、予習・復習を行うことが期待されます。
1 イントロダクション 2 政治とは何か? 3 どうして政治でなければならないのか? 4 政治はどこにあるのか? 5 政治に理想論は必要か? 6 どうやって決めたら納得できるのか?:①リーダーが決める 7 どうやって決めたら納得できるのか?:②自由に意見を伝える 8 どうやって決めたら納得できるのか?:③「関係者」を集める 9 どうやって決めたら納得できるのか?:④代表を選ぶ/代表が決める 10 どうやって決めたら納得できるのか?:⑤みんなが参加して決める 11 どうやって決めたら納得できるのか?:⑥話し合って決める 12 どうやったら政治に関わることができるのか? 13 まとめ
前半では、全体として「政治とは何か?」について理解を深めます。そこでは、政 治を「集合的な意思決定」として定義したうえで、そのような定義が持つ意味につい て説明していきます。 後半では、上記の「政治」概念に基づき、その複数の方法について説明していきま す。そこでは、政治には複数の行い方があること、それゆえ、選挙する=代表を選ぶ ことは、あくまで政治の一つの行い方に過ぎないこと(だからといって、重要ではな いということではない)ということを伝えます。
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●成績評価の方法
基本的に学期末試験で評価します。ただし、講義中に何度か配布するレスポンス・ペーパ ーの提出状況を補助的に考慮します(詳しくは初回授業で説明します)。履修取り下げ届 を提出する必要はありません。定期試験の欠席者は、「欠席」とします。
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●教科書
使用しません。代わりに、比較的詳細な講義レジュメ(ハンドアウト)を配布します。
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●参考書
全体に関わるものとして、杉田敦『政治的思考』(岩波新書、2013年)、ジェリー・スト ーカー『政治をあきらめない理由』(岩波書店、2013年)。本講義での「政治」について は、田村哲樹・松元雅和・乙部延剛・山崎望『ここから始める政治理論』(有斐閣、2017 年)の第2章「政治とは何か?」。それ以外は、講義中に適宜紹介します。
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●注意事項
文系の授業で扱うのは、人々が作り出す「社会」のありかた(または、「社会」が作り 出す人々のありかた)です。その意味で、本講義も、「社会」に関心をもって履修するこ とを期待します。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
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