2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170024371

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
化学実験
●主担当教員名
塚本 眞幸

●単位数
1.5単位

●開講時期
Ⅱ期
木・3 木・4
●対象学部
情報学部(自然情報学科)



●本授業の目的およびねらい

自らの手で実際に物質を取り扱う実験を行い,レポート作成を通して実験について思考することによって,化学物質や化学反応を体験的に学習する。物質の成り立ちや基本的性質について,高等学校「化学」の学習項目に関する基礎的内容から出発し,高度な内容を自発的に学習する。これにより全学教育科目「化学基礎Ⅰ」および「化学基礎Ⅱ」の授業内容を補完し,理科系各学部で履修する専門科目の基礎理解のために必要な物質科学に関する知識や思考力を養う。合わせて,実験の操作や結果について実験ノートに正確に記録し,資料・文献を調査し分りやすいレポートとして報告する方法を体得する。

●履修条件あるいは関連する科目等

高等学校「化学Ⅰ」の全範囲および「化学Ⅱ」の第1部(理論化学分野)について学習していることを前提にする。授業第1回目に行う「安全講習」の受講を必修とする。「化学基礎Ⅰ」および「化学基礎Ⅱ」を履修することが望ましいが必須ではない。

●授業内容

0.0 「ガイダンス」1回;授業の進め方や実験ノートの記入方法、レポートの書き方を説明する。
0.1 「安全講習」1回;化学実験を安全に行うために必要な実験室における一般的注意、薬品や機器の取り扱い、防災・安全用具などについて説明する。
1.1 「無機イオン分析実験講義」1回:無機陽イオンと陰イオンとの反応と金属塩の沈殿生成、錯イオンについて、溶解度積やイオン平衡式に基づいて取り扱う方法を説明する。
1.2 「無機イオン分析実験」3回:金属イオンと陰イオンとの反応による金属塩化物、金属硫化物、金属水酸化物の沈殿生成、および金属塩とアンモニアとの錯イオン形成反応を行う。さらにこれらの反応を用いて未知試料の系統的分析を行う。
2.1 「有機化学、無機化学、酸・塩基化学実験講義」1回:カルボン酸エステルの生成反応をもとに、化学反応における触媒、平衡反応、再結晶による精製について説明する。酸と塩基の中和反応について、当量点とpHの関係を定量的に解説する。
2.2 「有機化学実験」1回:アセチルサリチル酸の合成を行う。
2.3 「無機化学実験」1回:トリオキサラト鉄(Ⅲ)酸カリウムの合成を行う。
2.4 「酸・塩基化学実験」1回:強塩基を用いて強酸、弱酸を滴定し中和とpHの関係を調べる。
3.1 「物理化学実験講義」1回:光のエネルギーと、物質による光の吸収と化学構造の関係について説明する。化学反応の速度とエネルギーとの関係を説明する。化学的振動反応の原理にもとづき非線形反応を説明する。
3.2 「光の吸収とスペクトル」2回:分光器によって光をスペクトルに分光し、波長と色の関係、光の吸収と発色、分子・原子の電子状態などについて調べる。
3.3「反応速度とエネルギー」1回:化学反応の速度を測定し、エネルギーとの関係を調べ、化学的振動反応について振動周期を解析する。


●成績評価の方法

予習や安全等の諸注意を遵守した実験への真摯な取り組み、実験ノートへの正確な記録、実験操作や結果・課題の解答・考察を報告したレポートを総合的に評価する。履修取り下げ者は「欠席」評価とし、授業の欠席・レポート未提出が目立つ者は「F」評価とする。

●教科書

「理系基礎化学実験」村田静昭、浦野扶美、吉村正宏、伊藤英人共著(ISBN:9784780601435)を用いる。テキストの入手方法はガイダンス等で知らせる。

●参考書

履修条件に示した高等学校化学内容の復習に関して、高校で使用した副教材(「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」数研出版(ISBN:9784410273834))等が適当である。

●注意事項

授業第1回目に行う「安全講習」を履修しなかった者や、ここで指導された安全に関する諸注意を遵守しない者には,実験の受講資格を与えない。実験室中では常時安全メガネ・白衣の着用が義務付けられていることを特に断っておく。実験室の適正収容人数を超える場合には受講者数の調整を行うことがある。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

実験のレポートで要求される考察とは自ら行った実験の内容や結果について疑問や興味をもった事項に関し書物や資料を調べ、得られた知識をもとに自らの考えや答えを述べたものである。したがって、そのことがらを調べるに至った理由や調べた資料や出典を明確に記述する必要がある。また、著者(他人)らの考えをそのまま書き写すだけでは不十分で、そこから自分は何を学んだかを説明することが重要である。


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