2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170013112

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
化学基礎Ⅰ
●主担当教員名
髙木 秀夫

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅰ期
水・1
●対象学部
理学部(9〜12)



●本授業の目的およびねらい

現代の化学は、物理から生物にいたる広い領域をカバーする総合的な学問になりつつある。この化学基礎IとII期に開講される化学基礎IIとをあわせて、理学のどの分野に進む学生にも大切な化学の基礎を総合的に習得できるような講義内容になっている。化学基礎Iでは、原子核の構成、原子構造と元素の周期性を理解した上で、分子をつくる化学結合の成り立ちについて学習し、化学結合論に基づく物質論を学ぶ。

●履修条件あるいは関連する科目等

化学基礎Iは、II期に開講される化学基礎IIと一対になっているので、引き続き化学基礎IIを受講することをすすめる。またII期に開講される化学実験は、実験を通して化学を学習する教科であり、履修することを希望する。

●授業内容

1.序論:
   現代化学の役割/現代化学が目指すもの/現代化学を学ぶために必要な概念

2.原子核:
   原子の構造/質量欠損/元素の起源

3.電子論と原子構造:(量子論入門〜現代化学を理解するために) 
   電子の粒子性と波動性/原子軌道と電子のつまり方/有効核電荷とイオン化
   ポテンシャル原子半径/周期

4.化学結合論:(化学結合に関する解釈の変遷と現代の化学結合論)
   局在理論(ルイス仮説、VSEPR則、原子価結合理論)と非局在理論(分子軌道理論)
   共有結合と結合の極性/多原子分子と混成軌道/配位結合と無機化合物

この講義を履修した学生は、次の7つのことがらが身に付くことが期待されます。   

(1)元素の起源と原子の構造について説明できる                 
(2)軌道の概念を説明し、各軌道の形を描くことができる    
(3)各元素における電子の入り方について説明できる               
(4)各元素の性質を、電子構造と関連づけて説明できる              
(5)化学結合について、いくつかの考え方を区別して説明できる          
(6)簡単な分子の構造をVSEPRに基づいて説明できる             
(7)科学現象に対する説明や記述を批判的に考え、議論できる       

●成績評価の方法

・履修取り下げ制度を採用する。
・定期試験を受験しないものは、欠席とする。
・出席、演習問題、レポートと期末試験により総合的に評価する。

●教科書

特に指定しませんが、授業内容に準拠した参考書として以下の書籍を推薦します。
「基礎から学ぶ量子化学」三共出版(高木秀夫著)

●参考書

他にも、「Chemistry of the Elements」Pergamon Press(written by Greenwood and Earnshaw)、「量子論に基づく無機化学」名古屋大学出版会(高木秀夫著)など、無機化学と量子化学に関する書籍を、図書館で色々とあたってみましょう。

●注意事項



●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

皆さんは大学で初めて量子力学に関連する化学を学びます。現代化学では、化学結合は原子間の軌道の重なりによって生じると理解され、化学反応は反応種の軌道の重なりを通して電子や電子対が移動する現象ととらえられています。高等学校までで学んだ結合や反応に対する直感的な理解をさらに発展させて、最先端の化学に近づくためにしっかり勉強しましょう。

この授業では、量子力学的概念を記述するために、物理学的概念や多くの数式を紹介しますが、化学的に理解すべきことがらは「量子力学の帰結としての軌道の概念と電子が関与する化学現象の理解」なのですから、この授業の目標を達成するためには数学や物理学の知識が絶対に必要なわけではありません。表現が難しいからといって挫折せず、本質をとらえて理解するように努力して頂きたいと思っています。

 この科目を履修することによって、皆さんには(1) 原子軌道の概念を理解し各軌道のだいたいの形が描ける、(2) 周期表の各元素の性質を電子配置に基づいて合理的に説明することができる、(3)化学結合とその考え方について量子論に基づいて合理的に説明することができるという、3つの目標を達成することが期待されます。この授業を通して、「量子力学が生まれるまでと生まれたあと」の自然観を対比しながら、「現代化学のありのままの姿」を理解して頂ければと考えています。

またこの授業では、歴史を追いながら、量子論を中心とした現代化学における物質に対する考え方についても概説します。



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