●本授業の目的およびねらい
熱力学を含む物理化学は自然科学の基礎理論であり、その適用対象は化学反応から生命現象までと広範囲にわたっている。農学のどの分野に進む学生にとっても、生命現象を支配する基本原理に関する基礎的知識を習得することは重要である。そこで化学基礎IIでは、物理化学の中でもバイオサイエンスと関わりの深い内容を取り上げ、化学熱力学、溶液の性質、化学反応速度論、化学平衡、酸と塩基、電気化学などについて解説する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校化学の内容を既知として講義を行う。本科目は必修ではないが、応用生命科学科2年次に開講される必修科目である「生命物理化学I」を履修するためには、本科目の授業内容の理解が必要である。
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●授業内容
1.熱力学 内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、自由エネルギー 3.溶液とその性質 ラウールの法則、束一的性質など 4.化学反応速度論 反応速度式と次数、放射壊変速度、アレニウスの式など 5.化学平衡 平衡状態、ルシャトリエの原理 6.水溶液内平衡 酸と塩基 酸塩基の概念、水の解離、pH など 7.溶液の平衡とその応用 中和、滴定など 8.熱力学 エントロピー 自由エネルギー及び平衡 エントロピーと確率、自由エネルギーと化学平衡 9.電気化学 ガルバニ電池、還元電位、酸化還元反応、ネルンストの式など
なお中間試験を予定しています。
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●成績評価の方法
成績は中間および期末試験(80%)と、レポートなどの授業への貢献(20%)により総合的に評価します。本講義は履修取り下げ制度を採用しません。
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●教科書
教科書 マクマリー一般化学 上下 刊(東京化学同人)
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●参考書
マクマリー一般化学 演習編、アトキンス物理化学要論 第5版
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●注意事項
関数電卓 (ただし統計計算のできるもの)が必須です。学生実験などにも使用するので必ず購入してください。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
本講義は、モノの変化の「本質」を理解する上で必須な知識である、化学熱力学を中心として学びます。その中で「内部エネルギー」「エンタルピー」「エントロピー」「自由エネルギー」など、高校の化学では出てこない概念が多数出現します。これらの理解なしに、化学および生命現象の本質を理解することはできません。農学部学生は、平成29年度入学者より必修になりました。
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