●本授業の目的およびねらい
セミナーのテーマ:医療と材料の関わりを考える 病気やけがで損傷した体の機能を補うために様々な材料が利用されている。新しい材料が医療に用いられるには、効果と安全性、倫理的な課題を理解して開発が進められなくてはならない。本セミナーでは、医療に用いられる材料を対象に選び、実用化に至った経緯や、その材料のさらなる開発の余地について各自が調査する。結果の発表と議論を行い、報告書を作成することで、医療に役立つ技術を考えるプロセスを身につける。日本において医療材料開発が遅れをとっている原因についても討論し、開発力を高める戦略を考える。
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●履修条件あるいは関連する科目等
履修条件は特にありません。セミナーのテーマとして材料を調査対象にするため、化学に関する知識が主に関連しますが、これにとどまらず法律・経済・他の理系諸学問といった科目が総合的に関連します。
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●授業内容
医療に用いられる身近な材料の中から各自が調査対象を選ぶ。選んだ材料が開発された経緯や市場調査を経て、選んだ材料のさらなる開発の余地について考え、調査結果の発表、受講者間での討論、報告書の作成を行う。さらに、日本が医療材料の開発で遅れをとっている現状を理解し、その社会的な原因や解決策について討論していく。これらの背景をふまえ、再生医療など、この分野の最先端の研究例を取り上げて、基礎知識と開発研究の考え方について修得する。 1.担当教員、TA、受講者の自己紹介、本セミナーとテーマの進め方に関する説明。 2.本セミナーのテーマに関連するいくつかの医療用材料の事例の紹介と説明。 3.各自の選定課題の検討。 4.調査結果の発表方法および報告書の作成要領に関する説明。 5.各自の課題に対する調査。 6.中間報告書の作成と発表、討論。 7.最終報告に向けての方針を決定。 8.課題に関する再調査と報告書の修正作業。 9.最終報告書の作成と提出。 10.医療材料開発における日本の現状の理解と開発力強化に向けた戦略に関するグループ討論。 11.最先端の研究例の紹介とセミナーのまとめ。
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●成績評価の方法
履修を取り下げる場合は、履修取り下げ届を提出すること。調査活動の内容、調査報告書(レポート)、調査結果発表と質疑応答、討論への参加状況を総合して評価します。
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●教科書
特にありません。
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●参考書
セミナーの中で紹介します。
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●注意事項
各自が自発的にテーマを設定して調査を行い、発表と討論に積極的に参加してください。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
医療材料の開発は非常に学際的な分野で、医療従事者、技術者、経営者の密な連携が必須であるだけでなく、様々な社会的(倫理的)問題を含む難しい分野ですが、人命救助やQuality of Life の向上に関わる非常に意義のある分野でもあります。受講者の皆さんの得意分野を生かした多様な意見をセミナーに反映したいと思っています。皆さんが発言しやすい雰囲気をつくり、受講者間の親睦も深まるようなセミナーにしたいと思っています。
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