●本授業の目的およびねらい
セミナーのテーマ:韓流ドラマから「パッチギ」まで〜日韓関係を深く考える〜 日本人にとって、韓国は「似ている」ようでどこかが「違う」、ちょっと気になる国である。この授業では、日本人が韓国の社会や文化のどこに違和感を抱くのかを吟味し、韓国という<鏡>に映った日本人の自画像を議論していく。また、戦後の日本社会で不可視の存在とされてきた在日朝鮮人に注目し、日本と朝鮮半島との歴史的な関係についても理解を深めることがこの授業のねらいである。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。
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●授業内容
授業の前半では、韓国を題材にしたドキュメンタリーや教養番組、ドラマのワンシーンなど、映像資料を多用する。感想を言い合い、積極的に議論に参加すること。授業の後半では、朝鮮学校の生徒や卒業生をゲストを迎えて交流授業を行なう。その後、3〜4名のグループでテーマを決め、参考文献や資料を集め、関係者へのインタビュー、フィールドワークなどを行い、その成果を発表する。それにより、グループワークの円滑な進め方、協同でのPPTの作成と分かりやすい口頭発表のし方を学ぶ。
(学習内容) 1.日本人の韓国体験記を読む 2.激しい受験戦争と母の祈り 3.子どもと向き合う韓国の父親 4.現代に生きる儒教精神 5.朝鮮学校卒業生の話を聞く 6.在日朝鮮人と日本社会
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●成績評価の方法
出席状況、グループ発表、期末レポートの内容を総合的に判断する。
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●教科書
特になし。
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●参考書
徐京植『在日朝鮮人ってどんなひと?』平凡社、2012年 朴三石『知っていますか、朝鮮学校』岩波書店(岩波ブックレット)、2012年 安田浩一『ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力』文藝春秋社(文春新書)、2015年
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●注意事項
30分以上の遅刻は欠席とみなす。 5回以上授業を欠席した場合、成績評価は「欠席」とする。
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●本授業に関する参照Webページ
http://pathfinder.nul.nagoya-u.ac.jp/lecture/common/2010/kisosemi03/
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
K-popやドラマだけでなく、日本と朝鮮半島との深い関係を広い視野から考えてみましょう。とくに、最近の日韓両国の間では、領土問題や「慰安婦」問題が政治的なイシューとして浮上しています。私たちは、朝鮮半島の二つの国の人々やそこにルーツを持つ人々(在日朝鮮人)との関係をこれまで以上に深く考えなければならない時期に来ています。インターネットを検索すると、韓国や北朝鮮、在日朝鮮人に対する反感や敵対感情をあからさまに表現するサイトを目にするでしょう。大学に入り、知識人の仲間入りをしようとしている皆さんは、そのような「分かりやすい」解答に満足することなく、問題をじっくりと自分の頭で考えることが必要です。隣人たちの目に映る日本人の姿は、皆さんには時に受け入れ難いものかもしれません。しかし、隣国や私たちのすぐ近くに暮らす「コリアンな人たち」との出会いは、きっと皆さんの視野を広げてくれることでしょう。この列島と半島を含む東アジアの過去と現在、そして未来を一緒に考えていきましょう。
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