2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170072181

●科目区分
開放科目

●科目名
西洋政治思想史
●主担当教員名
加藤 哲理

●単位数
4単位

●開講時期
前期
火・1 火・2
●対象学部
全学部(法学部を除く)



●本授業の目的およびねらい

「思想史」という学問は、無限に広がる過去と未来の「歴史」の間で、ほんのわずかに存在する現在という場所のみを与えられ、絶えず「思想」しながら自らの生きる意味を問い続けることを宿命づけられている人間存在が、その自らの本質を自覚的に引き受けつつ歩んでいくことを決意するときに生まれてくる一つのエートス(=人生態度)なのです。ですから本講義の目標は、そのような生き方としての「思想史」を身につけることにあります。

●履修条件あるいは関連する科目等

人間であれば、それでよいです、人間であることは時として限りなく難しいですが。

●授業内容

二十世紀の西洋政治思想史の流れを概観することによって、私たちが生きている現在が、いかなる過去から生じてきたものかを追想するとともに、そのことを通して、私たちがいかなる問いを自らのものとして継承し、未来へと歩んでいくべきかを模索していきます。

二十世紀とは「西洋近代」がその頂点を迎えるとともに、やがてその限界が露わになるにつれて、それを克服するための思想的挑戦が様々になされていった時代でもあります。そもそも「東洋」の片隅にある一大学に偶然に設置されているに過ぎない本講義が、そのような「西洋」の思想史を「いま・ここ」において振り返ることに一体どんな意味があるのか、問うべきこと自体を何度も発見しなおしながら、講義を進めていければと思います。

そのつど与えられた状況の中で「西洋近代」が抱える多種多様な問題と対峙することで形作られていった数々の思想家たちの足跡を、丹念に辿っていきながら、私たちの存在の尺度が限りなく不透明になってしまった時代の中にあって、自らが進むべき道を照らしてくれる微かな光の痕跡に静かに耳を傾けていくことにしましょう。

●成績評価の方法

学期末の試験によって成績評価を行ないます(講義の内容を自己の問題として引き受け、それに主体的に参与していたかを見定めるものになります)。試験に出席しなかった方は欠席扱いになります

●教科書

レジュメを配布いたしますが、語られる言葉を真に活きたものとするのは皆さんの心の創造的な働きです。それを忘れれば、すべての言葉はひとを眠りに誘うだけの死物となってしまうことを注意しましょう。

●参考書

特にありませんが、森羅万象からなる日常そのものが皆さんに教えを説いている参考書であるということを忘れないでください。

●注意事項

予習や復習は特に必要はないですが、講義の中で心に浮かんだ問いの一つ一つを皆さん自身のものとして講義の外でも大切にしてください。そのほとんどが容易には答えの出ないものかと思いますが、そのような問いに繰り返し向き合った経験こそが、人間を初めて人間らしく、皆さんを初めて皆さんらしくしてくれるはずです。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

政治「思想」や「哲学」というと日常生活とは何も縁のない言葉遊びの印象を受けるかもしれませんが、実際には哲学という活動は、自らが存在していることの不可思議な謎の前におののき続けるという、多かれ少なかれ人間として生命を授かった者なら避けることのできない営みを敢えて自覚的に遂行するという単純素朴なものです。「政治」という現象をどのように理解するかは別としても、それが私たちがその中で生きている基本的な要素の一つである以上、政治について哲学するということは、私たちが自己の存在への理解をより深いものにしていく終わりのないプロセスでもあるのです。そのような旅路に興味をもたれた方のご参加をお待ちしております。耳馴染みのない概念が講義の中に登場することも多々あるかもしれませんが、思考と想像力を最大限に駆使しながら、それらの言葉と自らの人生を結びつけていく粘り強さをぜひ講義を通して養っていただければと思います。


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