●本授業の目的およびねらい
グローバリゼーションが進み、先進国・新興国及び開発途上国の関係が複雑化している中で、経済的・社会的発展、すなわち国家・地域の開発や開発援助について知ることと、それに関連した地球規模課題(グローバル・イシュー)を理解することを目的とします。ただし、それらを包括的に理解するには、基礎的知識とアプローチの方法を知る必要があり、授業を通してそれらを身につけます。 なお、この授業科目名にある「開発」とは、「先進国・新興国・開発途上国の国家及び地方の開発」のことであり、「技術的な研究開発」のことではありません。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
関連する科目:経済学、国際経済学、開発経済学、開発協力論、国際関係論 履修条件:皆さんの考えや意見・異論・反論・質問などを聞き、双方向の授業にしたいので、履修する人には積極的な発言を求めます。
|
●授業内容
概ね以下の通りです。 01.ガイダンス 02.国際協力の基礎的理論背景・・・世界経済の構造、経済発展モデル 03.国際協力の仕組み・・・経済協力、技術協力、その他の協力 04.政府開発援助(ODA)と民間協力(NGO)・・・それぞれの傾向と課題 05.戦後途上国支援アプローチの変化・・・新国際経済秩序、BHN、構造調整 06.21世紀の開発援助・・・MDGs、SDGs、インクルーシブな開発 07.開発問題1・・・貧困、貧困の定義、貧困削減、所得格差、人口問題 08.開発問題2・・・平和構築と復興支援 09.開発問題3・・・グローバル・イシュー(地球規模問題) 10.国際経済社会の変化・・・国際資金環流と民間資本時代、海外出稼と送金、国際観光 11.総括と質疑応答
|
●成績評価の方法
複数回実施するレポート(50%)、授業(討論等)への参加(50%)により評価します。 「履修取り下げ制度」を採用しますので、その場合「履修取り下げ届」を提出してください。
|
●教科書
下村 恭民、 辻 一人、 稲田 十一、深川 由起子(2016)『国際協力 -- その新しい潮流』第3版(有斐閣選書) ISBN-10: 4641281386
|
●参考書
世界開発報告(世界銀行)…年次報告書 人間開発報告書(UNDP)…年次報告書 友松 篤信、桂井 宏一郎(2010)『実践ガイド 国際協力論』、古今書院、ISBN-10: 477224137X
|
●注意事項
教科書をベースに授業を行いますが、教科書の内容を超えた解説もします。加えて最新の時事問題に重点を置きますので、テーマが前後すること、授業計画が遅延することもあります。レポートはすべて提出して下さい。1回でも提出が無い場合は不可とします。
|
●本授業に関する参照Webページ
http://www.worldbank.org/ http://www.jica.go.jp/ http://www.mofa.go.jp/mofaj/
|
●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
先進国・新興国・開発途上国は、日本での皆さんの生活と密接に関係しています。先進国は援助をするだけでなく、他国との貿易によって成立しています。また、国際問題・地球規模課題は、様々な利害関係者(ステークホルダー)が関わっており、それらを考えるには複数の立場を理解することが必要ですが、唯一の正解というものはありません。
留学生の参加は大歓迎です。その場合、日英で解説するよう心がけます。同時に、留学生の意見を聞く機会を多く設けます。
学生から取り扱って欲しいトピックスが提案されれば、極力リクエストに応えます。
この授業を通して、日本と世界各国との相互補完関係、最新の諸課題を学び、今後の研究や実生活に活かしてください。
|