2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170023305

●科目区分
文系教養科目

●科目名
産業社会と企業
●主担当教員名
涌田 幸宏

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
水・3
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい

産業社会において、企業の価値創造がますます重要になってきている。本授業の目的は、現代社会において、企業がどのような活動を行い、いかにして顧客価値を創造しているのかを理解することである。より具体的には、以下の点を目標とする。(1)経営学の基礎的な理論の理解を深める。(2)現実の企業経営の事例を通じて、経営戦略、組織構造、イノベーションなどに関する基本的な考え方を理解する。(3)これらをふまえて、日本企業の今日的課題と今後の方向性を考察する。

●履修条件あるいは関連する科目等

特になし

●授業内容

本講義では、おおよそ、以下のような点について解説する。
1.経営戦略とは何か
まず今日の日本企業が直面している経営課題について明らかにしたのち、経営戦略についての基本的な考え方を概説し、競争戦略論における市場ポジショニングおよび経営資源の蓄積について詳述する。
2.企業の競争戦略と市場適合
差別化と顧客価値の実現、市場創造とビジネスモデル構築、競争優位とビジネスシステムなどについて説明を行う。
3.イノベーションのマネジメント
ハイテク産業を中心として、製品のコモディティ化をどのように避けるのかが重要な課題となっている。イノベーションに関する諸説、とりわけ、イノベーションのジレンマを中心に解説し、製品イノベーション、意味的価値の創造について考察する。
4.企業の資源蓄積と活用
情報的な経営資源をどのように蓄積し活用していくのかについて考察する。具体的には、企業の多角化戦略とそのマネジメントを取り上げ、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、ダイナミックシナジーの創造などについて検討する。
5.企業組織のマネジメント
まず、組織構造を設計するに当たっての基本的な変数を明らかにし、組織設計で考慮するポイントとは何かを説明する。次に、全社的な組織構造のいくつかのパターンを概説する。具体的には職能別組織、事業部制組織、マトリックス組織などである。
また、実際の企業の事例も取り上げる。
6.ソーシャルイノベーション
社会的企業、社会企業家について注目が集まっている。社会的企業が展開するソーシャルイノベーションの動向、実現への課題について解説する。

●成績評価の方法

定期試験(80%)と出席点(20%)によって評価を行う。履修取り下げ制度を採用する。

●教科書

特に教科書は指定しないが、その都度指示する。

●参考書

伊丹敬之『経営戦略の論理(第4版)』日本経済新聞社
加護野忠男『競争優位のシステム』PHP研究所
沼上幹『組織戦略の考え方』ちくま新書

●注意事項

授業中の私語、居眠りは厳禁とする。毎回出席をとるので、無断欠席も厳禁とする。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

授業ではディスカッションも行うので、受講に当たっては、積極的な態度が望まれる。事前に参考文献を読んだり、関連する資料を調べるなどの準備が必要である。


時間割一覧へ戻る