●本授業の目的およびねらい
民主主義は、我々の社会の基本原理とされ、一見自明のもののように見えるが、実際には極めて複雑で、多義的な存在である。それは、民主主義が具体的な社会関係の中で、それぞれの時代の課題と格闘しながら、形成されてきたからである。この講義では、そうした民主主義の軌跡をたどり、その可能性と限界を学ぶとともに、現代の民主主義が直面する課題を検討することによって、我々が現代社会にどう向き合うべきかについて考え、議論するための基礎的な知識の習得を目指す。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。
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●授業内容
本講義の前半期は、民主政と民主主義思想が歴史的にどのように展開したのかを後付け、後半期は、具体的な論点に即して、現代社会における民主主義の可能性と課題について検討する。
第1部 1.民主政の歴史的展開 ・古代アテナイの民主政、古代ローマの共和制 ・近代市民革命と民主主義(イギリス、アメリカ、フランス) ・大衆社会の到来と近代民主政への批判 ・現代世界と民主主義 第2部 2.現代の直接民主政 ・直接民主政と代表制 ・民主的意思決定と住民投票 ・ソーシャルメディアの発達と街頭行動の再生 3.グローバル化と民主主義 ・シティズンシップと民主主義 ・EUのガヴァナンスと民主主義 ・ヨーロッパとポピュリズムの台頭
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●成績評価の方法
学期末の筆記試験によって評価する(100%)。 履修取り下げにあたり,履修取り下げ届は必要としない(期末試験を受験しなかった場合、評価を「欠席」とする)。
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●教科書
講義の際にプリントを配布する。
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●参考書
森正稔『変貌する民主主義』ちくま新書(筑摩書房、2008年)。ISBN:9784480064240 笹倉秀夫『法思想史講義』上巻・下巻(東京大学出版会、2007年)。ISBN:9784130323406、9784130323413 その他講義の際に適宜指示する。
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●注意事項
特になし。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
講義形式ではあるが、時事問題、社会問題に関心を持ち、自ら書をひもとく意欲的な姿勢をもって、受講して欲しい。
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