2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170025102

●科目区分
文系基礎科目

●科目名
法学
●主担当教員名
松中 学

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
金・1
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい

自らの専門ではなく、それと直接関係するわけでもない教養科目を学ぶ意味は何だろうか。本講義の担当者は、自分の専門ではない分野の存在を理解し、自分が「素人」である分野に対する接し方を掴むことがその1つだと考えている。
本講義を受講しても、法律家と同等の議論ができるようになるわけでも、すぐに役に立つ法律知識が豊富に身につくわけでもない。本講義は、上記の観点から、一般的な常識や直観としばしば対立する法律家の考え方をとりあげ、法学という確立した(1つの)分野が存在すること、法律家の考え方の特色を理解すること最終的な目的とする。

●履修条件あるいは関連する科目等

特になし。

●授業内容

毎回、授業内容に応じて講義サイト上でスライドまたはレジュメを配付する。また、自習(主に復習を想定している)のために、最低限読むべき資料(教科書の該当箇所が中心である)とさらに進んだ学習をしたい者のための参考資料をそれぞれ提示する。

1.イントロダクション:本講義のねらい、内容、進め方を説明する。
2~4. 基本的な知識の説明:6以降でとりあげる様々な問題を理解するため、条文の構造や判例とは何か、などの最低限の基本的な知識を説明する。
5〜13は、様々な法律分野における具体的な問題(判例になった事件など)や、ルールをめぐる日常的な議論をとりあげて、法律家の考え方を説明する。特に、本講義のねらいに即して、常識や直観と対立するものに注目する。よくある誤解やナイーブな批判をこきおろすことも多い一方、法律家の考え方を相対化することもある。
14・15は、基礎法学と呼ばれる分野の議論を紹介し、さらに法律家の考え方や法に対する見方を相対化する。

※受講者の人数と希望を踏まえて一部のテーマを入れ替えることがある。詳細は初回授業で説明し、意見を聞く。


●成績評価の方法

定期試験(8割)および授業での応答(2割。毎回のコメントペーパー、質疑等で評価する。出席自体は評価の対象とはしない。)による。履修取下げ制度は採用しない。定期試験を受験しない場合は「欠席」とし、受験したが合格水準を下回る場合はFとする。

●教科書

南野森(編)『法学の世界(別冊法学セミナー)』(日本評論社、2013)ISBN978-4-535-40842-5(※本書に従って授業を進めるわけではない。使い方は初回に説明する)。

●参考書

道垣内弘人『プレップ法学を学ぶ前に』(弘文堂、2010)ISBN 978-4-335-31312-7

●注意事項

教科書、参考書が改訂された場合は、授業開講時点の最新版を用いる。また、各回の内容に関して教科書の読むべき部分および追加の参考資料を提示する。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

「本授業の目的およびねらい」で説明した本講義の目的を敷衍して、具体的な目標を説明する。本講義では、次の(1)(2)を最低限の目標とし、(3)を次のステップの目標としている。
(1)自らが法律の素人であることを自覚する。
(2)法律の問題に関して、一般的な常識や自分の直観と対立する考え方が採用されている場合は往々にして合理的な理由があり、まずは自分を疑うべきであることを理解する。
(3)そうはいっても、法律家の考え方にもバリエーションがあり、支配的な考え方ですら疑うことも可能であり、実際に常に更新されてきていることも理解できるようにする。
 最後に、これらを通じて、法学の世界に関心を持ってもらい、各自の専門にも活かす、あるいは将来法律に関する話題や議論に接したときに今までは異なる姿勢でより深く、多面的な考え方をとる基礎となれば何よりである。


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