2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170025101

●科目区分
文系基礎科目

●科目名
文学
●主担当教員名
田村 加代子

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
金・1
●対象学部
文系学部



●本授業の目的およびねらい

現代において古典を読むことの意味を、受講生各々が主体的に発見し、その発見が自己内部に及ぼす作用や変化を吟味し、それを言語で表現し他者に伝えられるようになることを目標とします。文学作品と図像を読み解く力を養いながら、読解を自己表現に生かせるように鍛錬します。言葉は無からは出てきません。いかなる文学作品も、言語表現も、過去の作品の塗り替えであるか、過去の作品を乗り越えようとする営みであることを理解し、自分にあった言語表現を探りあてること、正解や正解に至る道が必ずしもひとつではないことについて再考することがねらいです。

●履修条件あるいは関連する科目等

図像、中国古典文学(所謂「漢文」「漢詩」を含む)、英語、英語詩に興味のある学生の受講を望みます。

●授業内容

 本講義では、『儒家十馬図』の図像の絵解きと、図像に添えられた漢詩の読解を通して、さまざまな読みの可能性について考えます。
 まず、第一段階として、前説なしで『儒家十馬図』と『牧牛図』とを見比べます。どのような共通点、相違点があるか、グループディスカッションをします。その上で、改めて準備段階として、『儒家十馬図』とは何か、『牧牛図』とは何か、その成立と背景について学びます。また、『儒家十馬図』と『牧牛図』の関係について考察します。
 第二段階として、十枚の図と、図に添えられた漢詩を第一図から第十図まで読み解いていきます。このとき、担当教員はひとつの読みの可能性としての訳を提示しますが、そのあと、各受講者個々人で文体などに意匠をこらした翻訳を試みます。その成果は、可能な限りグループディスカッションなどでシェアします。
 第三段階として、『牧牛図』のその後の展開として『十牛図』について概略を学びます。その際、『牧牛図』と比べながら図像鑑賞を行い、鈴木大拙の英訳や江戸時代の和歌についても知識を深めます。さらに『十牛図』の発展形として、マ・サティアム・サヴィタ詩画『さがしてごらんきみの牛』(オリジナルは英語)について、どのように『十牛図』を敷衍し、どのように独自の解釈を加えたかを確認し、「継承」と「発展(オリジナリティ)」について考えます。
 第四段階として、本講義で使用したさまざまな教材をもとにして、自分の言葉で表現するということについて実践と意見交換をします。
 まとめとして、中国的な概念を異なる言語に翻訳するということの意味など、異言語間での言葉や概念の往来、交流についてどのような問題が考えられるかを検討します。
 本講義は、授業のあとにリスポンスカードを提出することが求められます。講義内容について発見したこと、疑問に思ったことなど、自らの見解を表明し、次回の講義内容、講義方法のを向上させ、改良することに受講者自身が参加します。また、講義の進行に従って、随時課された課題について自宅学習を行い、その成果についても意見交換をします。


●成績評価の方法

リスポンスカード20%、課題30%、レポート試験50%により総合的に評価します。加えて、講義の初回に行う「講義の目的・ねらい」に関連するアンケートと最終回に行うアンケートにより受講生各自の到達度を受講前後の変化によって絶対評価します。

●教科書

プリントを配布します。

●参考書

『十牛図 自己の現象学』上田閑照・柳田聖山著(ちくま学芸文庫)
『禅とは何か』鈴木大拙著(角川文庫ソフィア)
『禅と日本文化』鈴木大拙著、北川桃雄訳(岩波新書)
『意識と本質 精神的東洋を索めて』井筒俊彦著(岩波文庫)

●注意事項

この授業は講義ですが、質問用紙を配って、随時、授業に対する質問、感想、意見、提言などを募るので、受け身ではなく積極的に参加して欲しいと思います。人数によってはグループディスカッションも取り入れ、できるだけ双方向の授業をしたいと思いますので、発信力(を高めようとする意志)が大切です。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)




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