2017年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20170022142

●科目区分
文系基礎科目

●科目名
比較文化論
●主担当教員名
齋藤 文俊

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
火・1
●対象学部
情(自然・コン)・理・医・農



●本授業の目的およびねらい

みなさんが、「おもしろい日本の古典を何か紹介してよ」と言われたとき、自信をもって紹介できる作品がありますか?
この講義では、江戸時代の『雨月物語』を精読することで、日本の古典の面白さを再認識するとともに、日本文化が中国などの文化に影響されてどのように形成されてきたのかを学習します。
この講義の受講を通して、ぜひ「私の好きな日本の古典」を見つけてください。

●履修条件あるいは関連する科目等

日本の古典をじっくり読んだことのない人、受験勉強で古文が嫌いになってしまった人、これから先の人生において日本の古典なんか読むことはないだろうと思っている人、
特に歓迎する。

●授業内容

 江戸時代に上田秋成の著した『雨月物語』(九つの短編からなる怪異小説)は日本の表的な古典作品の一つであり、映画にもなり、現代も様々な小説・ドラマ(ホラーなど)のもとになっている。そしてその『雨月物語』のもとには、中国や日本の様々な文献があって、作者の上田秋成はそれらのものを「翻案」することによって一つ一つの作品を完成させていった。本講義では、『雨月物語』を注意深く読みながら(もちろん「古文」で)、「日本と中国」をはじめ、「現代と古代」など様々な文化を比較してみていきたい。講義で取り上げる作品は下記の四つである。
  1 菊花の約
     (どうしても約束を守れなくなってしまった時、あなたならどうする?)
  2 浅茅が宿
     (故郷に残した妻は、戦乱の世に七年も夫の帰りを待っているのだろうか。)
  3 吉備津の釜
     (妻の恨みの恐ろしさ。この物語の結末を是非映像化してみてください。)
  4 蛇性の淫
     (いつの時代もストーカーは恐ろしい?)
それぞれの短編につき、
  ○秋成は中国の小説や日本の古典をどのように「翻案」していったのか
    →中国怪異小説との比較、日本古典相互の比較
  ○現代でこの『雨月物語』を「翻案」するとしたらどのような設定・展開になるのか
    →現代と古代の比較
  ○漫画や映画では、どのように描かれているか
    →文章表現と画像・映像との比較
  ○それぞれの作品の根底に存する秋成の主張は何か
などの問題を考察していく。
(より詳しい講義内容などについては、第1回目の講義で説明する)

●成績評価の方法

出席状況(40%)、期末レポート試験(60%) 
履修取り下げにあたり「履修取り下げ届」を必要としない。期末レポートを提出しない場合の成績評価は「欠席」となる。下記「注意事項」についてもよく読んでおくこと。

●教科書

森田喜郎『校註 雨月物語』笠間書院

●参考書

『雨月物語』の現代語訳や注釈書、さらには漫画にいたるまで、参考書類は多数ある。
講義の中でも紹介をしていくが、図書館・書店などでも簡単に見つけることができる。

●注意事項

本講義は、その性格上(上記「目的およびねらい」参照)、毎回出席することが前提である。出席状況が悪い場合は、期末レポートを提出する権利が与えられない。
(詳しい説明は第1回目の講義で行う)
教科書は第2回目の講義までに必ず用意しておくこと。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

第1回目の講義で、詳しい講義内容(予定)、成績評価の方法等を記したプリントを配布する。受講生は必ず受け取ること。


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